竹内製作所が工場内ネットワークの柔軟性を高める、SDN基盤を導入:スマートファクトリー
建設機械メーカーの竹内製作所は、SDNを活用した工場ネットワーク基盤を構築することを明らかにした。SDNはソフトウェアでネットワークを構築・制御できる技術で柔軟性や簡単な運用性などが特徴。
建設機械メーカーの竹内製作所は2015年10月22日、SDNを活用した工場ネットワーク基盤を構築することを明らかにした。同ネットワークの構築はNECが行う。
SDN(Software-Defined Networking)とは、ソフトウェアでネットワークを構築・制御できる技術で柔軟性や簡単な運用性などが特徴となる。
従来のネットワークの仕組みでは、目的地にデータを届ける際に、複雑に張り巡らされたネットワークの中を、スイッチやルーターと呼ばれるネットワーク機器(ハードウェア)が個別判断しながら、バケツリレー式でデータの受け渡しを行う。そのため、データの混雑状況やメンテナンス状況などに応じて、その都度最適なルートに変更するといったことは困難だった。また、ネットワークの構築や変更ではネットワーク機器ごとの設定が必要であり、高度な専門知識が要求される状況だった。
SDNでは、「ネットワーク制御」と「データ転送」の2つの処理を完全に分離し、データ転送処理のみに特化したネットワーク機器を、ソフトウェアから集中制御することで、柔軟で効率の良い、安全性の高いデータ通信を実現する。そのため工場にネットワーク専任者を置かなくても、本社IT部門など遠隔地から集中制御できることなどが利点となる。
IoT時代に備えた「つながる工場」実現へ
今回、竹内製作所が導入するネットワーク基盤は、将来的なIoT(Internet of Things)活用による「つながる工場」の実現を見据えて導入し、2016年2月の稼働を予定する。SDNの特徴を生かし、仮想ネットワークによる制御系システムのセキュリティ確保や簡単なネットワークの設計・設定、IoT活用によるデータ量の増大に応じた迅速かつ柔軟なネットワークの拡張、サイバー攻撃対策の自動化などを実現する。
SDNを構築するNECは、IoTを活用した次世代ものづくりを支えるソリューション「NEC Industrial IoT」において、SDNを活用した次世代工場ネットワークソリューションを提供するという。
竹内製作所では今後、他工場やデータセンターなどにもSDNを活用したネットワーク基盤の導入を検討していくとしている。
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