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設計は「ソフトが代替案を考える」時代へ、有機的なデザインをすぐに演算Autodesk University Japan 2015(2/2 ページ)

オートデスクは2015年10月9日、東京都内で「Autodesk University Japan 2015」を開催した。基調講演には米オートデスクの最高マーケティング責任者 クリス・ブラッドショー氏が登壇し、最新の設計技術について解説した。

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設計は代替案を“ソフトが提案”してくる時代に

 また、ブラッドショー氏は、昨今の設計にまつわる動きとして「ジェネレーティブデザイン」という用語を紹介した。同氏は、「最新ソフトでは、設計についての条件を入力するだけで、コンピュータが自動的に演算を行い、設計代替案を自動で作成することが可能」と説明。この手法をジェネレーティブデザインと呼ぶという。

アルミの熱交換機を用いた「ジェネレーティブデザイン」の解説。人間が設計するとこのような器具になるが……
アルミの熱交換機を用いた「ジェネレーティブデザイン」の解説。人間が設計するとこのような器具になるが……(クリックで拡大)
ソフトに希望強度などの条件を入れると、「生物のような有機的な形状で、設計を提案してくれる」(ブラッドショー氏)
ソフトに希望強度などの条件を入れると、「生物のような有機的な形状で、設計を提案してくれる」(ブラッドショー氏)(クリックで拡大)

 ソフト自体が設計を行うからといって、人間の作業が不要になるわけではない。「コンピュータは“美観”までは判断することはできない。そういった判断や、微調整については人間の決定が必要だ」(ブラッドショー氏)。

設計ソフトが建物の設計案として生成した3次元モデルの一覧
設計ソフトが建物の設計案として生成した3次元モデルの一覧(クリックで拡大)

 同氏は、実際にこのジェネレーティブデザインの手法が使われた事例も紹介した。「ライトニングモーターサイクルが製作した世界最速(同氏解説)の電動バイクは、パーツの軽量化を行うべく、この手法を活用して製作された。これまでより有機的なデザインで、パーツの軽量化に成功した」。

ライトニングモーターサイクル社が製作した電動バイクパーツは「ジェネレーティブデザイン」の手法を用いて製作された。従来の設計モデルより、有機的なデザインが行えることが特徴 ライトニングモーターサイクル社が製作した電動バイク(左)、パーツは「ジェネレーティブデザイン」の手法を用いて製作された。従来の設計モデルより、有機的なデザインが行えることが特徴(右)(クリックで拡大)

 この仕組みは、同社ソフト「Within」に組み込まれており、日本から購入することも可能だ。「Within」は、2015年10月23〜11月8日までの17日間、東京・表参道で開催される同社イベント「Pop-Up Gallery Tokyo」にて展示が行われる予定としている。

2つのサービスを日本語化

 同講演プログラム内にてオートデスクは、3次元CAD「Autodesk Fusion 360」と設計プロジェクト向けコラボレーションサービス「Autodesk A360」の日本語化を発表した(関連記事:日本語対応した「Fusion 360」――未来のモノづくりプラットフォームに)。同イベントに登壇した、米オートデスク ワールドワイド・セールス・サービス担当 上級副社長のスティーブ・ブラム氏は「Fusion 360については、学生や教育機関、スタートアップ企業に対して無償提供も行っている。新しい設計、新しい設計方法、そして教育支援による新しいデザイナー育成にも力を入れ、業界の先頭に立って提案を行っていきたい」と目標を述べた。

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