ダイハツが考える未来の軽は超低床で乗り降り自在、両側観音開きで大開放も:東京モーターショー2015
ダイハツ工業は、「東京モーターショー2015」で「乗り降り」に注目したコミューター「NORI ORI」や両側観音開きドア採用で多彩なシートアレンジも可能な「HINATA」など4モデルを世界初公開する。
ダイハツ工業は2015年10月6日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)の出展モデルを発表した。新コンセプトのマルチユースコミューター「NORI ORI(ノリオリ)」や新しいラウンドデザインの軽自動車「HINATA(ヒナタ)」など4モデルを世界初公開する。
ダイハツ工業の出展テーマは「POSSIBLE! 明日の『できる』をダイハツと」。「人々の生活に寄り添う軽自動車をさらに進化させることで、日常生活に楽しさや喜びをプラスし、乗る人全てが笑顔になるクルマづくりを各出展物で表現する」(同社)という。
世界初公開は4車種となる。ノリオリは、文字通り「乗り降り」に着目した「近未来のマルチユースコミューター」(同社)。イージーアクセスなスモールカーを目指し、ニールダウンシステムによる超低床フロアと2ウェイアクセスドアを備える。また、助手席側に収納式スロープを、リヤ側にはフロアリフトを設定し、ベビーカーから車いすまで幅広い用途で乗り降りのしやすさを追求している。車いすは2台の積載/固定が可能だという。
ヒナタは、デザイン性とスペース機能の融合による新しいラウンドデザインの軽自動車。両側観音開きドアを採用し、多彩なシートアレンジが可能だという。デザインは「こもれびライトグリーン」×「やわらかアイボリー」のボディカラーでナチュラルリラックスを表現したデザインとなっている。
「TEMPO(テンポ)」は、軽商用車の新しいカタチとしてFFプラットフォームを活用した「新ジャンルスペース系商用車」(同社)としての提案になる。室内空間の自由度を生かした移動販売車で、カウンターテーブルを組み込んだショウケースを搭載。助手席側は、LED照明付きの大型ガルウィングドアを採用しており、車両側面に装備したデジタルサイネージは、店舗の看板として活用できる。
「D-base(ディーベース)」は同社が考える次世代のスモールカーの在り方を提案した「ニューベーシックスモールカー」(同社)だ。独自の低燃費技術「e:Sテクノロジー」を進化させた、内燃機関を追求した次世代環境車で、スタイリッシュなエコ&スマートデザインで先進性を表現している。
その他にも、2015年10月下旬の発売を予定している「キャスト スポーツ」の市販モデルや、「キャスト アクティバ」「キャスト スタイル」のモーターショー特別色展示など、市販車10台の展示も行う。また、技術展示では、身近な軽自動車の技術や、ダイハツが描く燃料電池による将来の暮らしの姿を、五感で体感できる体験型展示を行うとしている。
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