全高1835mmの軽自動車「ウェイク」がカーブで転倒しない理由:車両デザイン(1/3 ページ)
ダイハツ工業の新型軽自動車「ウェイク」の最大の特徴は、乗用の軽自動車としては極めて高い、1835mmという全高にある。しかしその全高は、走行安定性にはマイナスに働いてしまう。同社は、ウェイクを商品化するために、走行安定性を向上するための開発に取り組んだ。
ダイハツ工業が2014年11月10日に発売した新型の軽自動車「ウェイク」。その最大の特徴は、乗用の軽自動車として極めて高い、1835mmという全高にある(関連記事:ダイハツの新型車「ウェイク」は新市場を切り開けるか)。
軽自動車は税制面での優遇を受けられる半面、さまざまな制約も設けられている。エンジンの排気量は660cc以内、外形寸法は全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mmm以下でなければならない。乗車定員も4人以下だ。
100mmずつ高くなってきた軽自動車の全高
軽自動車メーカーはこれらの制約の中で商品力を高めるためにさまざまな開発を行ってきた。しかし、車室の居住性や荷室の容積に関わる部分については、登録車と比べてはるかに小さい全長と全幅を限界ギリギリまで使い切っている以上、全高を高くするという選択肢しか残されていない。
ダイハツ工業の「ミラ」やスズキの「アルト」のように、従来の一般的な軽自動車の全高は1500〜1550mm程度だ。これよりも全高が高く、車室の居住性がより高い軽自動車として提案されたのが、いわゆるハイトワゴンタイプの軽自動車である。ダイハツ工業の「ムーヴ」、スズキの「ワゴンR」、ホンダの「N-WGN」、日産自動車の「デイズ」、三菱自動車の「eKワゴン」がこのハイトワゴンタイプに当たり、全高は1600〜1650mm前後となっている。
しかし軽自動車に対するユーザーの需要の高まりを受け、ハイトワゴンタイプよりも全高の高い軽自動車も開発され、好評を博すようになった。ダイハツ工業の「タント」、スズキの「スペーシア」、ホンダの「N-BOX」、日産自動車の「デイズ ルークス」、三菱自動車の「eKスペース」といったスーパーハイトワゴンタイプである。全高は1735〜1780mmだ。
このように約100mmずつ全高が高くなってきた軽自動車だが、今回のウェイクの登場で新たに“ウルトラハイトワゴン”といえるようなカテゴリが新たに加わったことになる。競合他社も既に開発を進めている可能性は高い。
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