スマホでスキャンした3次元データを基にミニ四駆のボディを作ろう!:無償3次元CADによる「ミニ四駆」ボディ設計講座(3)(5/5 ページ)
タミヤの「ミニ四駆」を題材に、無償3次元CADでミニ四駆の“オリジナルボディ”を3Dモデリングし、3Dプリンタで出力するまでを解説する連載。第3回では、「Autodesk 123D Catch」でスキャンしたデータを基にミニ四駆のボディをモデリングする。
ポリゴンメッシュをコントロールポイント表示に
今はまだ弁当箱のふたのような形ですが、ここから前回紹介した[MODIFY]−[Edit Form]を活用して、形状を変えていきます。その前に、対象の形を半透明にしたいので、前述のやり方と同様に[MODIFY]内の[Appearance]機能を使用して、「ガラス」−「中間色(青)」を割り当てます(図20)。
この状態で、[Ctrl]+[Alt]+[1]のキーを同時に押すとポリゴンメッシュがコントロールポイント表示になります。ポリゴンメッシュそのものは、コントロールポイントが増加/減少したり、またはフェースを削除することでガラリと形が変わってしまったりすることがありますが、コントロールポイントの位置は(そのポイントが変更されない限り)保持されます。[Edit Form]でコントロールポイントを編集する場合はこの状態を使い、生成されるポリゴンメッシュそのものの形状を確認したい場合は[Ctrl]+[Alt]+[3]キーを同時に押すと、元の表示に戻すことができます(図21)。
読み込んだポリゴンを表示します。この状態で[MODIFY]−[Edit Form]を起動し(メインのメニューバーから直接[MODIFY]のアイコンを選択しても同じです)、図22のようにエッジを選択します(複数選択は[Shift]+画面ピック)。ダイアログ内の[Selection Filter]を[Edge]に設定します。
この状態でビューをモデル上方からにすると、図23のようになります。ここで下の角丸ハンドルをドラッグすると、対象のエッジが平面移動します。つまりXY方向には自在に動きますが、Z方向は固定されます。
キャラクターラインを参考にして、エッジを移動後、図24のように隣のエッジ群も移動させます。こうすることで、ミニ四駆前方の形が表現されていきます。
センターに近い部分ですが、左右対称を維持したいのでフェースを選択します。[Selection Filter]を[Face]に設定しましょう。平面移動ではなく、車長方向に移動するため矢印のハンドルを使います(図25)。
車の先端部をよく見ると、少し尖った表現になっているので、下のようにエッジを車幅方向に移動して表現を近づけます(図26)。
ここまでで[Ctrl]+[Alt]+[3]キーを押し、ポリゴンメッシュ表示を確認します(図27)。
いかがでしょうか? まだまだミニ四駆の形にはほど遠いですが、基本の操作は同じです。フェースやエッジ、頂点を[Edit Form]で移動して得たい形状を作っていくことになります。
ボディをそれらしい形状に作り込むまではまだかかりますが、今回はここまでとします。次回はよりミニ四駆に近い形まで到達する予定ですが、この[Edit Form]の機能は繰り返し使いますので、ぜひ今回の内容をしっかり把握してください。
それでは次回の連載でお会いしましょう! (次回に続く)
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