進化を遂げた「Fusion 360」で「ミニ四駆」ボディを設計しよう:無償3次元CADによる「ミニ四駆」ボディ設計講座(2)(1/3 ページ)
タミヤの「ミニ四駆」を題材に、無償3次元CADでミニ四駆の“オリジナルボディ”を3Dモデリングし、3Dプリンタで出力するまでを解説する連載。第2回では、無償3次元CAD「Autodesk Fusion 360」の説明と、3次元形状を定義するモデリングのアプローチについて解説する。
前回お届けした、連載「無償3次元CADによる『ミニ四駆』ボディ設計講座」の第1回では、タミヤの「ミニ四駆」の概要と、モデリング対象として見た場合の特徴について説明しました。
連載第2回となる今回は、本連載の中でモデリングツールとして使用する無償3次元CAD「Autodesk Fusion 360」(以下、Fusion 360)の説明と、3次元形状を定義するモデリングのアプローチについて解説します。
筆者が以前執筆した連載「3DCAD&3Dプリンタで機構を作る」の中でもFusion 360の機能を紹介していますが、Autodeskによると「そのころ(2013年当時)からはるかに進化しています!」とのことです。一体どのような進化を遂げたのか、あらためてFusion 360の機能を確認していけたらと思います。
なお、本連載では、Fusion 360のインストールや、基本的なユーザーインタフェースについての解説は割愛しています。こうしたFusion 360の基礎については、「無償3次元CAD『Fusion 360』で2次元スケッチを描こう」の中で説明していますので、そちらを参照してください。
Fusion 360の操作環境について
Fusion 360の3次元形状の操作環境(Workspace)には、「PATCH」「MODEL」「SCULPT」の3種類があります。連載「3DCAD&3Dプリンタで機構を作る」の解説や、「モデ1GP」の講習で使った無償3次元CAD「Autodesk 123D Design」のモデリング環境はMODELとなり、基本的な3次元形状の操作をカバーしています。
このうち、SCULPTについては初期状態でメニューに表示されていないと思います。SCULPTを表示するには、MODELのWorkspace内で[CREATE FORM]を選択します。こうすることで、SCULPTのWorkspaceに切り替えることができます。
メッセージにも記述がありますが、MODEL環境に戻るためには[FINISH FORM]を選択する必要があります。SCULPT環境で作成された形状は、Design historyの中で独立して記録されます。つまり、その形状を修正したい場合は、そのステップに立ち返って編集する必要があります。
MODEL環境とSCULPT環境との大きな違いは、MODEL環境が基本的にソリッドボディ(中身の詰まった3次元形状)を作成/編集するのに対し、SCULPT環境は、主にサーフェス(中身のない、膜のような3次元形状)を扱うという点です。もう少し正確にいうと、SCULPT環境ではFusion 360の中で「T-Spline」と呼ばれる形状を扱います。従って、使用できる機能群にも違いがあります。
以下、その共通点と相違点を見ていきましょう。
こうして見ると、[CREATE]メニューに存在する[Box][Cylinder][Sphere]などの3次元基本形状、2次元形状を基に3次元化する[Extrude][Revolve][Sweep]などは共通の機能として存在します。ただ、同じ名前の機能でも、ソリッドボディが作成されるか、サーフェスが作成されるかで異なり、それぞれ図5に示すような結果形状になります。
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