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テスラの電気自動車はギガファクトリーが動かなければ安くならない電気自動車

電気自動車ベンチャーのTesla Motors(テスラ)CEOのイーロン・マスク氏は、SUVタイプの電気自動車「モデルX」と低価格の電気自動車「モデル3」の発売時期や価格に関する情報を公開。モデルXは現在販売しているセダンの「モデルS」より5000米ドル高くなるものの、モデル3は条件付きながら3万5000米ドルで販売するとした。

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 電気自動車ベンチャーのTesla Motors(テスラ)は2015年9月2日(米国時間)、SUVタイプの電気自動車「モデルX」と「一般消費者に受け入れ可能」な価格の電気自動車「モデル3」の発売時期や価格に関する情報を公開した。

 これは同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏がTwitterで明らかにしたもの。まずモデルXについては、「(現在販売しているセダンの)『モデルS』よりもサイズが大きく、ボディ構造も複雑なので、価格も5000米ドルほど高くなる」とコメントした。マスク氏が示唆するモデルXは、最も高価になる「Signatureシリーズ」である。モデルSで最上位の「P85D」の価格が12万8500米ドルなので、モデルXのSignatureシリーズは13万3500ドル前後になるとみられる。

テスラのSUVタイプの電気自動車「モデルX」。後席ドアは「ファルコンウィング」と呼ぶガルウイングドアになっている(クリックで拡大) 出典:テスラ

 またモデルXの出荷時期については「最初の生産ロットは、2015年9月29日にフリーモントの工場で引き渡す」と明言した。

 当初モデルXは、2014年内に生産を始める予定であり、価格もモデルSより安価になるとされていた。しかし、発売は2015年9月末まで延び、価格もモデルSより安価にはならなかった。

「モデル3」はあと2年で生産できる。ただし……

 マスク氏は、テスラが創業から目標としてきた低価格の電気自動車であるモデル3についても言及した。「モデル3はあと2年程度で生産を始められる。ただし、“ギガファクトリー”の立ち上げが前提になる」(同氏)。

 ギガファクトリーとは、テスラとパナソニックが米国ネバダ州で建設している大規模リチウムイオン電池工場のこと。現時点でギガファクトリーは、立ち上げ時期を2017年、フル生産の時期を2020年としている。

 その上でモデル3について「価格は3万5000米ドル。2016年3月に披露するとともに、予約受付も始める」(同氏)と述べている。

 今回、モデルXの価格を低減できなかった事実から、現状のリチウムイオン電池の生産規模では、テスラが生産する電気自動車の価格は高級車とされるモデルSとほぼ変わらないことが示された。

 そして3万5000米ドルというモデル3のレベルまでの価格低減を実現するには、2020年時点で年間生産規模が50GWhに達するギガファクトリーが必要不可欠なこともはっきりした。

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