連載
ヒト型ロボットは道具を超え「自分の鏡」に、ヴイストン大和社長に聞く:インタビュー(4/4 ページ)
ロボットは道具の延長線上ではなく、心を持った「人間の相手」となる必要がある。ロボカップ連覇などの実績を持つヴイストンの大和社長は「ココロ」こそが、家庭用ロボットのカギだと語る。普及については「ここ3年が勝負」だ。
――その“ヒトっぽさ”に脚(二足歩行の機能)は必要なのでしょうか。
大和氏: “脚があるように見える感じ”は必要だと思います。
――家庭用サービスロボットの普及について、「ある程度の期間、ロボットと生活する土壌を用意する」ことが大切と仰っていました。ヴイストンとしてその用意は進めているのでしょうか。
大和氏: ここ3年が勝負だと思っています。とにかくロボットを知ってもらうため、10万台のレベルで投入したいと考えています。スマートフォンなどのように3年割引契約などを設定し、本体価格に関しては実質的に無料となるプランを検討するなど、方法はあると考えています。
家庭にロボットが入り込むにはそれなりに手が掛かるはずですし 家電製品を買うような感じにはならないと思いますが、その存在感でユーザーが満足を得られ、最終的には承認欲求を満たすことができる存在として定着することが目標となります。
KDDIや電通が出資した「Jibo」など、道具としての進化で受け入れられる製品もあるはずですが、ロボットの本当の進化は“道具を超える”ことです。既存の道具をロボティクス技術で進化させる道具としての進化も必要ですが、ロボットがロボットとして価値を持つのは、“心のよりどころになること”だと信じているのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 出場チームに聞く「DARPA Robotics Challenge」決勝戦の舞台裏(後編)、「世界との差は開いた」が2020年には“現場”へ
世界から23チームが集まった、災害対応ロボット競技会「DARPA Robotics Challenge」決勝大会。日本からの参加は最高10位と決して振るわず、世界との差を痛感することになったが、産総研チームでは得られた課題から2020年の“現場入り”を目指す。 - ヒトとの相乗効果はロボットを新しい次元に引き上げる、MMSE金岡氏に聞く搭乗型巨大ロボットの作り方(後編)
ヒトの動きがロボットの動きになるロボット「MMSEBattroid」を開発したMMSE 金岡氏が次の実現を狙うのが、4メートルクラスの搭乗型ロボットだ。実現に向けた技術的な課題はなく、各分野の協力を得られれば5年以内に実現するだろうという。 - ロボットと家族になりませんか?――ソフトバンクがPepperで描く未来
2015年夏に一般販売開始される感情認識ロボット「Pepper」。ソフトバンクは感情を持ったロボットをどのようにして市場に浸透させていくのか。 - 「“スマホの次”は小型コミュニケーションロボ」ロビ産みの親、高橋氏が考える近未来
家庭用ロボット「ロビ」の産みの親、高橋智隆氏は「スマホの次はコミュニケーションロボットだ」という。スマホにおけるiPhoneのような、コミュニケーションロボットの離陸に必要な「キラーハードウェア」は何か。