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ヒト型ロボットは道具を超え「自分の鏡」に、ヴイストン大和社長に聞くインタビュー(3/4 ページ)

ロボットは道具の延長線上ではなく、心を持った「人間の相手」となる必要がある。ロボカップ連覇などの実績を持つヴイストンの大和社長は「ココロ」こそが、家庭用ロボットのカギだと語る。普及については「ここ3年が勝負」だ。

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――ロボットを「話しかける対象として満足できる存在」にするには、AIの進歩が必要でしょうか。

大和氏: 問題は技術ではなく、形状(フォルム)ではないかと思います。犬や猫は人の言葉を話しませんが、人間が話しかける対象となっています。必要なのは愛着を持ってもらうことです。

 人間はモノに対して愛着を持つことができ、それは時間がたつほど強くなります。ロボットと1年、いや、半年でも一緒に生活すれば対象がロボットであっても愛着がわき、話しかける対象として定着します。

 手にとってもらう手段はとにかくとして、“ある程度の期間、ロボットと生活する”土壌を築くことができれば、家庭用ロボットは社会に定着して、一気に普及すると思います。

――家庭用ロボット普及のカギとなるのは、「機能の提供」ではなく「存在感」ということでしょうか?

大和氏: 工業製品において、「アレもできます、コレもできます」でヒットした製品はありません。私の考える家庭用ロボットは“アレコレできるコミュニケーションデバイス”であるスマートフォンの延長線上にあるものではなく、ペットに近いものです。買い主がペットに自分を投影するように、ロボットがペット的な存在として認知されていくうちに、ロボットは自分の鏡、パーソナリティーの投影先として存在できると思います。

――愛着を持ってもらえるペットロボットというと、AIBOを連想してしまいます。

大和氏: AIBOについては、エンターテイメントロボットとして生まれ、犬型だったのが残念です。

 犬型では人間とのインタフェースをどうしても持ちにくくなりますし、ペットとしての愛玩性を備えながら、ヒト的な存在として認識されるロボットであればより違った展開があったのではとも思います。

 言語でのコミュニーションや自分の投影先として形状を考えると、やはりヒト型が有用ではないかと考えます。石黒先生(大阪大学 石黒浩教授)も仰っていますが、人間がコミュニケーションを取る相手のカタチは人間型がベストなのです。

 ただ、外観が人間に近すぎてもうまくいきません。人間に似すぎていると、「人間と同じ事ができるのでは」と期待されることになりますし、話しかける相手としての安心感を考えると“ヒトっぽい”ぐらいが適切ではないかと思います。

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