より簡便かつ安全な経皮内視鏡的胃ろう造設術のための処置具を発売:医療機器ニュース
オリンパスは、より簡便かつ安全に「Introducer変法」を行える、経皮内視鏡的胃ろう造設術の処置具「イディアルシースPEGキット」を国内で発売した。新開発の胃壁固定具と「一期的ダイレータ」を採用している。
オリンパスは2015年7月30日、より簡便かつ安全に「Introducer変法」を行える、経皮内視鏡的胃ろう造設術の処置具「イディアルシースPEGキット」を国内で発売した。ボタン、オブチュレータ、栄養用接続チューブ、減圧用接続チューブ、胃壁固定具、22G穿刺針/J型カニューラ、ダイレータ胴体部、シース、リリースロッド、体表固定具の10点がセットになっている。
経皮内視鏡的胃ろう造設術(PEG:percutaneous endoscopic gastrostomy)は、内視鏡で胃内を確認しながら体外と胃をつなぐ小さな穴(胃ろう)をつくり、その穴にカテーテルを入れる手技のこと。口から食事を取れない患者の胃に栄養を送るために行われている。PEGの手法の1つであるIntroducer変法は、内視鏡の挿入が1度で済むため、患者の苦痛軽減が期待できるという。
今回発売されたイディアルシースPEGキットは、胃ろうを作る際に必要な新開発の器具を2種類採用し、Introducer変法をより簡便に行えるようにした。新開発の胃壁固定具は、1本で2発の穿刺と糸かけが可能で、より簡便に結紮(けっさつ)ができる。また、カテーテル挿入のため、腹壁に開けた穴を拡張する際に必要な器具「一期的ダイレータ」も新たに開発。挿入ルートの確保とダイレータの役割を1本で果たすだけでなく、シースの留置まで一貫して行える。両器具により、Introducer変法の手技時間を短縮できるという。
さらに、体外と胃をつなぐトンネル状の空間を確保する管状の器具「シース」を使用してカテーテルを挿入することで、気腹や胃の裂傷などのリスクを軽減した。シースのふたは、胃内空気の抜けを予防するなど、手技の安全性向上も図れるという。
同社では、同キットを用いることで手技時間を短縮し、患者の苦痛と医師のストレス軽減につながるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ソニーとオリンパス、「ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ」を設立
ソニーとオリンパスは、2012年9月28日に締結した業務提携契約に基づき、医療事業合弁会社「ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ」を設立した。 - 地道に小さく! オリンパスのPEN Lite E−PL1
「OLYMPUS PEN Lite E-PL1」は、“Lite”の名称が表すように、OLYMPUS PENのライト版。この機種では軽量化・小型化を目指したが、魔法をかけるように小さくなるわけではない! - DMPの3DグラフィックスIPコア「PICA200 Lite」が「OLYMPUS Tough TG-1」に採用
ディジタルメディアプロフェッショナルのOpenGL ES 1.1対応3DグラフィックスIPコア「PICA200 Lite」が、オリンパスイメージングのコンパクトデジタルカメラ「OLYMPUS Tough TG-1」(2012年6月15日発売)に採用された。 - 米国における泌尿器・消化器での医療用カテーテル製品の業務提携を拡大
テルモとオリンパスは、米国における医療用カテーテル製品の業務提携を拡大することで基本合意した。医療機器の世界最大市場である米国での成長が狙いで、米国の泌尿器分野では、両社間で初となる販売提携も開始する。 - 3次元画像をリアルタイムに描出するハイビジョン対応大腸ビデオスコープ
オリンパスは、大腸がんなどの検査・治療に使用される消化器内視鏡「PCF-H290DL/I」を発売した。細径・ハイビジョン対応の大腸ビデオスコープのシリーズでは初めて、「Scope Guide」機能に対応した。