ヘリコプター製造プロセスに航空宇宙・防衛産業向けソリューションを採用:製造IT導入事例
ダッソー・システムズは、エアバス・ヘリコプターズが、製造オペレーション管理の効率化に向け、同社の航空宇宙・防衛産業向けインダストリー・ソリューション・エクスペリエンス「ビルド・トゥー・オペレート」を採用したと発表した。
ダッソー・システムズは2015年7月3日、エアバス・ヘリコプターズが、製造オペレーション管理の効率化に向け、同社の航空宇宙・防衛産業向けインダストリー・ソリューション・エクスペリエンス「ビルド・トゥー・オペレート」を採用したと発表した。
エアバス・グループのヘリコプター部門であるエアバス・ヘリコプターズは、民間・官公庁市場で多くのシェアを持つ世界的ヘリコプターメーカーとなる。現在、顧客サービス向上のため、従来の製造管理システムのデジタル化を進めており、製造オペレーション管理の効率化と収益性向上のため、ビルド・トゥー・オペレートの導入を決定した。
ビルド・トゥー・オペレートには、ダッソー・システムズの製造実行ソリューション「DELMIA Apriso」が活用されている。同ソリューションを導入することで、エアバス・ヘリコプターズでは、連続生産、プル型同期化生産、サプライチェーン全体にわたるマテリアル・フローを網羅し、製造オペレーションの全段階でデジタル化した情報を得られるようになる。これにより、より高精度な製造オペレーションのモニター、管理、検証が可能になるという。
また、ヘリコプターの設計、エンジニアリング、製造、出荷において、バーチャル環境下でのモデリング、工程設計、製造実行が可能になるため、最適化された工程・製品が部署間で共有できる。さらに、バーチャル製造環境での工程シミュレーションや検証を通じて、リーン生産方式を実践できるため、生産効率の向上が見込めるとしている。
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