データ連携ツール採用で製造ラインの全データを一元管理:製造IT導入事例
アシストは同社が提供するデータ連携ツール「DataSpider Servista」が、豊田ハイシステムの開発・運用する生産管理システムのデータ連携基盤として採用されたと発表した。
アシストは2015年6月22日、同社が提供するデータ連携ツール「DataSpider Servista」が、豊田ハイシステムの開発・運用する生産管理システムのデータ連携基盤として採用されたと発表した。
豊田ハイシステムでは、製造工場の生産管理システムの再構築に当たり、新たにデータ連携ツールの導入を検討。今回、製造ラインで発生する生産情報・工程管理・品質管理・保全管理などのデータを一元管理するため、アシストが提供するDataSpider Servistaの導入を決定した。
DataSpider Servistaは、日立製作所の統合システム運用管理「JP1」のジョブ管理製品「JP1/AJS3」のスケジューリング機能を組み合わせることで、各システムから生成されるCSVファイルを自動的に収集し、データを読み取るプロセスを秒単位で起動できる。これにより、従来バラバラだった製造ラインの全データを集約し、一元管理を可能にした。
また、最速で数秒、平均でも15秒後には工場内に設置されたラインモニターに最新の稼働状況を表示し、生産状況をリアルタイムで「見える化」できる。製造ラインの異常を検知した場合には、即座に関係者にアラートを発信するため、初動対応のリードタイムを大幅に圧縮。加えて、データが一元管理されたことで、品質不良の原因が瞬時に分かるという。
豊田ハイシステムでは、DataSpider Servistaの導入により、工場内で製造ラインの最新稼働状況を確認できる他、遠隔地のオフィスからでも工場の状況をほぼリアルタイムで把握可能になったという。さらに、生産数などの実績や残工数も把握できるため、社員の就業時間を事前に調整するなど、従業員のワークスタイルにも波及効果があるとしている。
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