検索
ニュース

レクサスのホバーボードは超伝導で浮く、「上で立ったりジャンプしたりできる」車両デザイン(1/2 ページ)

トヨタ自動車は、レクサスブランドの広告キャンペーン映像「SLIDE」のために開発を進めていた「レクサスホバーボード」の全容を発表した。地面から浮くホバー走行には、超伝導現象を利用している。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 トヨタ自動車は2015年8月5日、高級車ブランド・レクサスのグローバルブランド広告キャンペーン「AMAZING IN MOTION」の第4弾「SLIDE」のために開発を進めていた「レクサスホバーボード」の全容を発表した。同社は同年6月、YouTubeで、開発中のレクサスホバーボードの映像を公開していた。

「レクサスホバーボード」の外観
「レクサスホバーボード」の外観(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車
「レクサスホバーボード」で走行する様子(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 ホバーボードは、スケートボードの車輪の代わりに、何らかの手法によって浮上してホバー走行する“ボード”だ。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」で登場したことで広く知られている。

 レクサスホバーボードは、超伝導体が極低温に維持されて超伝導体状態になり、外部から磁力を加えられたときに発生するマイスナー効果とピン止め効果を利用してホバー走行を実現している。ホバーボードの内部には、液体窒素の沸点よりも超伝導転移温度が高い高温超伝導体を組み込んでいる。この高温超伝導体は、液体窒素を使って−197℃まで冷却できる低温保持装置によって超伝導状態が維持されている。

「レクサスホバーボード」に液体窒素を注入する様子
「レクサスホバーボード」に液体窒素を注入する様子(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 外部からの磁力に当たるのは永久磁石を埋め込んだレールである。つまりレクサスホバーボードは、このレール上でしかホバー走行することができない。

「レクサスホバーボード」の構造
「レクサスホバーボード」には極低温に維持された超伝導体が組み込まれており、永久磁石を埋め込んだレールの上をホバー走行する(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 開発は、ドイツのドレスデンを拠点に磁気浮上技術を手掛けるIFW Dresdenとevicoの科学者チームが担当。18カ月かけて開発を完了したという。evicoのCEOを務めるOliver de Hass(オリバー・デ・ハス)氏は、「レールの磁場がホバーボードの超伝導体の中に『凍結』されることで、ボードとレールの間に一定の距離が保持され、浮くことができる。この力は、ホバーボード上で人が立ったりジャンプしたりできるほど強いものだ」と語る。

動画が取得できませんでした
「レクサスホバーボード」ができるまで。さまざまな試作を繰り返して完成した(クリックで再生) 出典:トヨタ自動車

 なお、レクサスホバーボードの重量は11.5kg。16個の超伝導体を内部に組み込んだ低温保持装置を前方に1つ、後方に1つ備えている。レクサスブランドの車両の象徴となっている、フロントフェイスの「スピンドルグリル」が前面と後面に反映されている。

「レクサスホバーボード」に反映された「スピンドルグリル」
「レクサスホバーボード」に反映された「スピンドルグリル」(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 乗り手が足を置く表面部は竹製だ。レクサスブランドの車両では、竹ステアリング竹スピーカなどを採用している。

「レクサスホバーボード」の表面部は竹製
「レクサスホバーボード」の表面部は竹製(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る