「レクサスIS」にダウンサイジングターボ、自然吸気エンジンモデルよりお得?:エコカー技術
トヨタ自動車は、レクサスブランドのエントリーセダン「IS」を一部改良。同ブランドのFR車として初となるターボエンジン搭載モデルの「IS200t」を追加した。従来あった排気量2.5l(リットル)の自然吸気エンジンを搭載する「IS250」の2WDモデルを上回る走行性能や燃費を実現しながら、値上がりは10万〜15万円に抑えている。
トヨタ自動車は2015年7月23日、レクサスブランドのエントリーセダン「IS」を一部改良すると発表した。今回の一部改良では、排気量2.5l(リットル)の自然吸気エンジンを搭載する「IS250」の2WDモデルに替えて、排気量2.0lのターボエンジンを搭載する「IS200t」を追加した。同ブランドのFR車にターボエンジンを採用するのは初めて。IS200tの税込み価格は454万4000〜508万7000円。
IS200tに搭載するターボエンジンは、FF車であるコンパクトSUV「NX200t」で初採用した排気量2.0lの直列4気筒直噴ターボガソリンエンジン「8AR-FTS」である(関連記事:「レクサスNX」の直噴ターボエンジンは「高熱効率・低燃費エンジン群」)。
8AR-FTSは、ツインスクロールターボチャージャーや、従来と比べて可変角を拡大した連続可変バルブタイミングリフト機構「Dual VVT-iW」、筒内直噴と吸気ポート噴射の2つのインジェクターを持ち最適な燃焼効率を生み出す「D-4ST」などを採用。「低回転域から強大なトルクを発生させ、滑らかな加速フィーリングを実現した」(同社)エンジンに仕上がっている。
エンジンの最高出力は180kW(5800rpm)で、これはNX200tよりも5kW高い。最大トルクは、1650〜4400rpmという広い回転数領域で350Nmを発揮する。JC08モード燃費は13.2km/l。
これに対して、従来のIS250の2WDモデルは、最高出力158kW/最大トルク260Nmで、JC08モード燃費は11.6km/lだった。税込み価格は438万2000〜497万4999円だったので、IS200tとの価格差は約10万〜15万円となる。
また、排気量3.5lの自然吸気ガソリンエンジンを搭載し、IS200tより100万前後高価な「IS350」は、同じ2WDモデルで最高出力234kW/最大トルク380Nmで、JC08モード燃費は10.0km/lである。
なおIS200tは2WDモデルしか用意されていないため、IS250の四輪駆動モデルはラインアップに残された。
8AR-FTSと組み合わせるトランスミッションは、NX200tでは6速ATの「6 Super ECT」だったが、IS200tでは8速ATの「8-Speed SPDS」となっている。これはIS350と同じだ。IS250のトランスミッションが6 Super ECTだったことを考慮すると、IS200tはトランスミッションについてもより高性能になっているといえる。
加えてIS200tは、フロントにパフォーマンスダンパーを標準装備することで、ハンドリング特性をシャープにし、高い操縦安定性を確保した。これに合わせてIS350もパフォーマンスダンパーが標準装備となった。
従来のIS250の2WDモデルと、一部改良で追加されたIS200tを比較すると、エンジンがダウンサイジングターボとなって、出力、トルク、燃費が向上するとともに、トランスミッションが6速ATから8速ATとなり、フロントのパフォーマンスダンパーも標準装備になっている。これらの価値が、約10万〜15万円の値上がり以上のものと捉えられるかどうかが、「お得」と感じられるかどうかの判断基準になってきそうだ。
この他、今回の一部改良では、ハイブリッド車の「IS300h」に四輪駆動モデルを追加した。よりスポーティーなグレードとして設定されている「F SPORT」のボディカラーには、専用色として「ヒートブルーコントラストレイヤリング」が加わった。これは、2014年10月に発表した「RC」と「RC F」で初採用した塗装技術「コントラストレイヤリング」を採用したものだ(関連記事:「レクサスRC/RC F」が「世界初」の塗装技術、ソウルレッドを上回る)。
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