「東大阪に“こども金型職人”を生み出す発信基地を作りたいねん!」:zenmono通信(3/3 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、中辻金型工業 総括部長の戸屋加代氏にお話を伺った。
やりたいことの思いや、ストーリーが大事
enmono クラウドファンディングについてご意見を伺いたいと思います。今回zenmonoでプロジェクトを発足してみて、クラウドファンディングに対するイメージは変わりましたか?
戸屋氏 最初は資金調達をするというイメージしかありませんでした。いかに賛同してもらえる内容で持っていくかが重要で、多くの意見を聞くことでそのプロジェクトが成功するのかしないのか判断材料にもなると聞いていました。そういった最初の評価がもらえるのがクラウドファンディングなのかなと。
でも今回のプロジェクトでは資金だけでなく、人材集めも重要になっている。多分、お金を集めようとしてクラウドファンディングすると逆に失敗をすると思うんです。やりたいことの思いだったり、作りたいことのストーリーだったりというのが重要になるのかなと。
enmono 今回のプロジェクトは特に人の支援・サポートがかなり重要だと思います。現在の応募状況はメーカー1人、デザイナーさん1人、スタッフはまだなし(編集部注:2015年7月21日現在、メーカー5人、デザイナー1人、スタッフ2人が応募中)。メーカーというのはセミナーをしていただく方ですね。デザイナーさんにはどういう方を求めていますか?
戸屋氏 私たちがどういうことをしているかを動画で伝えたいと考えているので、そのあたりのサポートをお願いできたらいいなと考えています。
enmono ぜひ皆さん、お声がけください。
戸屋氏 自社のモノづくりを語っていただける方をお待ちしております。
「かけ算」のモノづくりを目指して
enmono 最後に「日本のモノづくりの未来」について、戸屋さんの思いをお願いします。
戸屋氏 私が仕事をする中で思ったのは、作りたい人はたくさんいるけど、作れる人とのマッチングっていうのがだんだんできなくなってるのかなということです。そこで作りたい人と作れる人ができることをお互いに補い合う「かけ算」のモノづくりをするのが、いいものを作る一番の近道なのかなと思っています。
最終製品を手掛けるメーカーでも、中辻金型工業のような金型を手掛ける企業でも、それぞれできることが異なります。そこでお互いができない部分を補い合ってモノづくりをしていきたい。それがないまま単に作ったものを渡すだけでは、これまでのようなメイド・イン・ジャパンのいいブランドは生まれなくなるんじゃないかと思っています。なのでかけ算のモノづくりがたくさんできるような環境になればいいなと考えています。
enmono かけ算というキーワードが重要ですよね。最近、メーカーさんの技術力がどんどん落ちているように感じるんです。基本的に社内でやるとコスト高いから、自分たちは管理だけ担当して実際のモノづくりは外に丸投げしてる。そうするとメーカーさんのブランドしか残らなくて、中に技術が残らない。だから10年後の日本のメーカーの姿を想像すると非常に怖い。そういった現状を「enjoy mono」のような取り組みでなんとかできればと思います。
戸屋氏 メーカーさんも本当はそこがむず痒い部分だと思うんですよね。そこが開ければ、きっといいモノづくりがみんなでできるんじゃないかと思います。
enmono というわけで、今日は中辻金型工業の戸屋さんにお越しいただきました。どうもありがとうございました。
戸屋氏 ありがとうございました。
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