2020年に自動車1台当たり19個載るイメージセンサー、裏面照射型が鍵を握る:車載半導体(2/3 ページ)
車載CMOSセンサーで50%近いシェアを握るオン・セミコンダクターによれば、2019〜2020年には自動車1台当たりに19個のイメージセンサーが搭載されるようになるという。同社は、成長著しい車載CMOSセンサー市場での優位を確保すべく、裏面照射型の新製品を投入する。
アプティナ買収で車載分野をさらに拡大
オン・セミコンダクターは2014年6月、車載分野をさらに拡大していくための企業買収を発表した。イメージセンサー大手のAptina Imaging(アプティナ)の買収である(関連記事:イメージセンサー企業の買収を続けるオンセミ、車載/産業市場向けに注力)。アプティナは、バックモニターを中心に車載CMOSセンサーを2004年から供給しており、10年以上の実績を有している。2014年には、車載CMOSセンサーの累計出荷数で1億個を突破した。
会見では、そのアプティナで車載分野の戦略的マーケティング責任者を務め、現在はオン・セミコンダクターのイメージセンサー・グループでオートモーティブ担当プラダクトライン・マネージャーに就任しているNarayan Purohit(ナライヤン・ピュロヒット)氏が登壇し、車載CMOSイメージセンサーの市場動向と同社の最新製品について説明した。
まずピュロヒット氏は、自動車1台当たりに搭載されるカメラ/イメージセンサーのトレンドを紹介した。2010年以前、車載イメージセンサーの搭載数は、バックモニターや運転支援システム向けなどを中心に1台当たり4個以下だった、しかし、車両後部の1個のイメージセンサーを使うバックモニターから、車両の前後左右に設置したイメージセンサーを使うサラウンドビューが登場して搭載数は一気に増えた。
さらに今後は、ドライバーモニタリングに用いる車室内カメラや、電子ミラーの登場、セキュリティなどのためイメージセンサーの搭載数は増えて行き、「自動運転技術の本格的な採用時期が2025年から2020年に前倒しになったこともあり、2019〜2020年における自動車1台当たりの車載イメージセンサーの搭載数は19個まで増える」(同氏)という。
車載イメージセンサーの市場規模も急激に拡大している。2015年は、世界全体で5億米ドルの規模となる見通しだが、2018年には倍増の10億米ドルになるというのだ。さらに、車載CMOSセンサーのシェアランキングでオン・セミコンダクターは、モバイル機器向けで有力なOmniVision Technologies(オムニビジョン)やソニーを抑えて、圧倒的トップとなる46%を占めている。ピュロヒット氏は「車載CMOSセンサーの2個に1個は当社製」と語気を強める。
自動車1台当たりの車載イメージセンサーの搭載数増加と同期して、車載イメージセンサー市場における用途別シェアも、2010年はバックモニターなどの駐車支援と照明システムだけで63%を占めていたが、2019年には他の用途が急成長し、駐車支援と照明システムのシェアは27%まで低下する見込みである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.