イメージセンサー企業の買収を続けるオンセミ、車載/産業市場向けに注力:車載半導体
ON Semiconductor(オンセミ)が、CMOSイメージセンサー大手のAptina Imaging(アプティナ)を買収する。買収金額は約4億米ドル(約407億円)となる見通し。2014年4月のTruesense Imaging(トゥルーセンス)、2011年2月のCypress SemiconductorのCMOSイメージセンサー部門に続き、イメージセンサーの買収案件では3件目となる。
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター、オンセミ)は2014年6月9日(米国時間)、CMOSイメージセンサー大手のAptina Imaging(アプティナ)を買収する最終合意を締結したと発表した。慣例法上の買収完了条件を満たした場合の買収金額は約4億米ドル(約407億円)となる見通し。
アプティナは、オンセミの注力分野である車載/産業市場向け高性能CMOSイメージセンサーの有力企業の1つ。他にもデジタルカメラ、モバイル機器、コンピュータ機器、ゲーム機などにも製品を展開している。オンセミによれば、アプティナの2014年5月29日までの過去12カ月間の売上高は約5億3200万米ドル(約541億円)で営業利益率は約3%に達するという。
オンセミは2014年4月に、Eastman Kodakのイメージセンサー事業部門を承継したTruesense Imaging(トゥルーセンス)を買収している(関連記事:オンセミがトゥルーセンス(旧コダック イメージセンサー部門)を買収)。トゥルーセンスの2013年の売上高は約7900万米ドル(約80億円)で、営業利益率は約23%だった。同社の主力事業も、オンセミが注力する産業市場向けのイメージセンサーだった。また2011年2月には、Cypress SemicoductorのCMOSイメージセンサー部門を3140万米ドル(約32億円)で買収している。
オンセミの社長兼CEOを務めるKeith Jackson氏は、「アプティナの差別化されたイメージングテクノロジーと、オンセミの広範囲の営業地域と強力な運用能力が組み合わさることで、車載/産業市場における成長が加速するだろう。オンセミの傘下にアプティナが加わることで、イメージセンサー市場におけるオンセミの規模は大幅に拡大し、車載/産業向けイメージセンサーのリーダーとしてのポジションも確立できる」と述べている。
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