薬事戦略相談、活用してますか?
ここ数年政府は、国内における医療機器開発を促進するための施策を次々に展開しています。2014年11月に行われた、薬事法の医薬品医療機器等法(薬機法)への改正はその代表例と言っていいでしょう。従来の薬事法は、基本的に医薬品を対象とした法制度でしたが、薬機法では医療機器を医薬品と異なるものとして扱っており、その分認証の取得も容易になっています。
この他にもいろいろありますが、今回は、厚生労働省傘下の独立行政法人である医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「薬事戦略相談」を取り上げようと思います。
薬事戦略相談とは、日本発の革新的な医薬品や医療機器、再生医療に関わる製品を開発している大学/研究機関やベンチャー企業を対象に、早期に薬機法の承認を取得できるように、試験・治験計画の策定や、開発計画などに関する相談を受ける事業のことです。
この薬事戦略相談、PMDAのテクニカルエキスパートが担当する個別面談/事前面談と、承認審査を実際に行っている審査チームも参加する対面助言から成ります。個別面談/事前面談は無料なので、医療機器開発を検討しているのであれば活用すべきでしょう。
有料の対面助言は、個別面談や事前面談で論点をまとめた後に行う、承認取得に向けた本格的なものです。といっても、大学/研究機関やベンチャー企業は、価格が10分の1になるので、やはり積極的に活用すべきです。
この薬事戦略相談で重要な役割を果たしているのがテクニカルエキスパートです。「第6回 医療機器 開発・製造展(MEDIX2015)」(2015年6月24〜26日、東京ビッグサイト)の専門技術セミナーに、PMDAでテクニカルエキスパートを務める石川廣氏が登壇し、薬事戦略相談でありがちな話を紹介してくれました。
関連記事
- ≫モノづくり編集のこぼれ話
- 「薬事認証の国際協調を進める」、厚労省が新戦略「RSI」を策定中
「第6回 医療機器 開発・製造展(MEDIX2015)」の特別講演に、厚生労働省の大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)を務める磯部総一郎氏が登壇。現在準備を進めている新たな政策を明らかにした。 - 再生医療用iPS細胞の培養に適した足場材の製造方法を確立
大阪大学蛋白質研究所の関口清俊教授らの研究グループは、再生医療用iPS細胞の培養に適した足場材「ラミニン511E8フラグメント」の製造方法を確立した。 - 「世界初」3Dプリンタで人工骨を成形、薬事承認申請
NEDOの支援を受けた研究チームが、3Dプリンタでカスタムメイドの人工骨を成形する「世界初の技術」(NEDO)の薬事承認を申請。熱処理を伴わずに微細な成形を行える3Dプリンタ製の人工骨は、自骨への癒合も早く、時間経過で自骨に変化(骨置換)するという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.