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植物工場ベンチャー大手が倒産、新工場の歩留まり安定せず製造マネジメントニュース

植物工場ベンチャー大手のみらいは東京地裁に民事再生法の適用を申請した。

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 植物工場ベンチャー大手のみらいは2015年6月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したことを明らかにした。

 みらいは、2004年9月設立の植物工場ベンチャー。創業者で代表取締役会長の嶋村茂治氏が千葉大学大学院において大手企業と共同開発を行い、レーザーを用いた果物の非破壊検査装置と、工場での植物栽培に関する研究成果をもとに会社を設立した。

 農業関連のベンチャー企業として、人工光型の野菜栽培技術を導入した植物工場の設計・販売および工場の運営を通じた野菜の生産・販売を手掛けた。生産物はレタスやグリーンリーフ、サンチュやロメインなどで、天候に左右されず無農薬で栄養価が高い野菜を栽培できる植物工場として多くの注目を集めた。また、大学内に工場を持つことで各種データを公開。信頼性が高い点を強みとして業容を拡大し、2015年3月期には年売上高約10億円をあげていた。

 しかし、業容拡大を見越して2014年に千葉県柏市と宮城県多賀城市※)2工場を増設したが、野菜生産が当初予定したように安定せず、売り上げが想定を下回ったことで大幅な営業赤字を計上。一方で設備投資資金などの返済期限が迫り、2015年6月末に迫った決済資金の支払めどが立たないことから、自力での再建を断念したという。

※)関連記事:元ソニーの電子デバイス工場が転身!? 1日1万株のレタスを作る人工光植物工場完成

 負債総額は約10億9200万円で、今後は直ちにフィナンシャルアドバイザーを選任したうえでスポンサーの募集を開始し、同年9月末をめどにスポンサーに対して計画外事業譲渡をすることを予定している。

売り先と工場管理がカギを握る植物工場の成否

 植物工場は、天候の影響に収穫量が左右されない一方で、初期投資と運営投資が大きいことが一般的な路地の農業との違いとなる。野菜は生鮮食品であるため長期保存ができないため、売り先を確保する点と、必要な数を必要な量だけ必要な品質で作る「工場管理」のノウハウが必要になる。さらに、通常よりも大幅に高コストとなるため、野菜の値付けなどを含めた収益モデルなどが重要になっている※)

※)関連記事:野菜の工場生産本格稼働へ――成否のカギは出口戦略と製造マネジメント

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