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電気オート三輪がカーブで転倒しない仕組み、「加速度センサーは使っていない」電気自動車(3/3 ページ)

日本エレクトライクが開発したオート三輪ベースの電気自動車(EV)「エレクトライク」が国土交通省の型式認定を取得した。オート三輪の最大の課題である、カーブを曲がる際の不安定さを、後2輪にそれぞれ直結したモーターの個別制御により解決したことを最大の特徴とする。

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全ての近距離配送用途に対応

 エレクトライクの想定用途は市街地などにおける近距離配送である。現在、近距離配送に用いられている車両としては、自転車、原動機付自転車、軽バン/トラックなどがある。エレクトライクは、自転車しか使えないような場所を除き、全ての近距離配送に対応できるとする。

 松波氏は、「エレクトライクは全幅が1295mmと小さく、ほぼ全ての道路を走行可能であり、最小回転半径も2.8mと小回りがきく。積載量も、近距離配送であれば十分な150kgを確保した。酒屋の配送などに用いられている原動機付自転車は、最大積載量が30kgとビールケース1個分程度しか運べない。エレクトライクはその5倍だ。一方、軽バン/トラックと比べるとランニングコストが圧倒的に安い」と利点を強調する。

 なおランニングコストは、電気自動車の燃費に当たる電費は、深夜電力使用で1km当たり1.2円、昼間電力使用で1km当たり3.1円で、軽バン/トラックの1km当たり約7円よりはるかに安い。年間1万km走行するとすれば数万円の差が発生する。

「エレクトライク」と松波氏
「エレクトライク」と松波氏(クリックで拡大)

 また自動車税についても軽二輪なので年間3600円で済む。軽バン/トラックの自家用貨物登録の場合年間5000円である。その上、電気自動車ということで、自動車取得税と初年度の自動車税は免税になる。

 松波氏は「販売目標を、2015年度に100台、2016年度に200台としているが、その後も年ごとに倍々で増やしていきたい。そして販売価格が補助金なしで100万円を切るようになれば、海外も含めてさらなる普及も目指せるだろう」と意気込む。

 なお、当面のエレクトライクの生産は国内で外部委託し、出荷前の最終試験は川崎市内で行う計画だ。

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