高解像度CMOSセンサー搭載の下部消化管用拡大スコープ:医療機器ニュース
富士フイルムは、イメージセンサーに高解像度CMOSセンサーを搭載した下部消化管用拡大スコープ「EC-L600ZP」を発売した。独自の画像処理機能と高解像度CMOSセンサーを組み合わせることで、低ノイズで高解像度な画像を可能にした。
富士フイルムは2015年5月29日、イメージセンサーに高解像度CMOSセンサーを搭載した下部消化管用拡大スコープ「EC-L600ZP」を発売した。内視鏡システムの光源にレーザーを用いた新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」用のスコープで、富士フイルムメディカルを通じて販売する。
今回発売されたEC-L600ZPは、LASEREO用スコープとしては初めて、イメージセンサーに高解像度CMOSセンサーを搭載したもの。粘膜表層の微細血管のコントラストを高めて強調して表示する「Blue LASER Imaging(BLI)機能」や、粘膜表層の微細血管のコントラストを高めた画像に対し、赤色領域のわずかな色の違いを画像処理で見やすく表示する「Linked Color Imaging(LCI)」も搭載。これらの機能と同センサーを組み合わせることで、低ノイズで高解像度な画像を可能にした。
また、最短1.5mmからの近接観察ができる新設計のレンズを搭載したことで、病変などをより細部まで観察できる。光学拡大時の動作モードには、通常の「連続ズーム動作モード」に加え、新たに簡単なボタン操作で段階的に拡大できる「ステップズーム動作モード」を搭載。拡大観察時に、ピントを簡単に合わせられる。
さらに、検査中の患者の身体的苦痛を低減するため、軟性部が高い弾発性を持つ新素材を採用した高追従挿入部となっており、屈曲部が多い大腸にもスムーズに挿入できる。これにより、検診から精密検査までのさまざまな場面で、患者の身体的苦痛を低減し、検査効率の向上にもつながるという。
視野方向は0°(直視)、視野角は標準時140°、最近接時56°、観察範囲は1.5〜100mmで、先端部外径11.7mm、軟性部外径11.8mm、有効長1330mmとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- エボラ出血熱向けの抗インフル薬、富士フイルムが追加生産を決定
富士フイルムは、エボラ出血熱患者への投与拡大に備え、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」(一般名はファビピラビル)の追加生産を決定した。2014年11月中旬より、ギニアで臨床試験を始める予定だ。 - 富士フイルム、生産設備の設計やコンサルを行う子会社設立――社外にも展開
富士フイルムは、工場の生産設備の設計・保全サービスを、設備計画立案から導入後のフォローまで一貫して担う子会社「富士フイルムエンジニアリング」を設立した。 - エボラや炭疽菌のワクチンも! 富士フイルムが米社買収しワクチン受託製造に参入
富士フイルムは、バイオ医薬品の受託製造会社(CMO)でワクチン製造に強みを持つ、Kalon Biotherapeuticsの買収を発表した。 - 富士フイルム、DR方式・カセッテサイズデジタルX線画像診断装置を発売
独自の抗菌コート技術「HYDRO AG」を活用し、カセッテ全面を銀系抗菌剤含有の超親水性膜でコーティングした抗菌仕様で、清潔で衛生的に使用できる。また、新開発のノイズ低減回路の搭載により、低線量での撮影が可能になった。 - 新プロセッサで高精細の画像を実現、富士フイルムの携帯型超音波画像診断装置
富士フイルムは2014年5月より、携帯型の超音波画像診断装置を発売する。同社の画像処理技術と、機器の小型化を得意とするFUJIFILM SonoSiteの技術を組み合わせて開発したもの。医師の診断ワークフローを分析し、ユーザビリティも改善している。