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燃料電池車「ミライ」を“解剖”:人とくるまのテクノロジー展2015 リポート(4/4 ページ)
トヨタ自動車は「人とくるまのテクノロジー展2015」において、燃料電池車「MIRAI(ミライ)」のカットモデルや各種関連技術を展示した。ミライに搭載された部品は、自動車部品メーカー各社でも披露されており、さながら、会場全体を使ってミライを“解剖”しているような状況だった。
ミライの“未来感”を感じさせるシートやドアトリム
トヨタ紡織は、燃料電池セルの水素極側のチタン製セパレータ、水素や空気、冷却水を供給するスタックマニホールド、燃料電池セルスタッククーラントの不純物イオンを取り除くイオン交換器などが採用された。また、ミライの“未来感”を感じさせるシートやドアトリムなども同社の製品だ。
愛三工業は、ミライの燃料電池セルに供給される水素の圧力・流量を制御する水素インジェクタを展示した。
圧縮天然ガス(CNG)自動車の燃料供給システムをベースに、70MPaとCNGよりも高圧になる水素が漏れないようにするシール性の向上や、生成される水への耐腐食性の付与などを行ったという。
愛知製鋼は、高圧水素による脆化が起こらないステンレス鋼「AUS316L-H2」を紹介した。ミライの高圧水素用部品の他、水素ステーションにも素材として用いられている。
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