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燃料電池車「ミライ」を“解剖”人とくるまのテクノロジー展2015 リポート(3/4 ページ)

トヨタ自動車は「人とくるまのテクノロジー展2015」において、燃料電池車「MIRAI(ミライ)」のカットモデルや各種関連技術を展示した。ミライに搭載された部品は、自動車部品メーカー各社でも披露されており、さながら、会場全体を使ってミライを“解剖”しているような状況だった。

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燃料電池車の“エンジン音”はエアコンプレッサーから

 豊田自動織機は、エアコンプレッサー、水素循環ポンプ、水素循環ポンプ用のインバータを展示した。これらの他、エアコン用の電動コンプレッサーもミライに採用されている。

 エアコンプレッサーは、燃料電池が発電するために絶えず必要になる空気(酸素)を吸引・圧縮し、燃料電池セルスタックに供給する部品である。エンジンを搭載しないミライにとって、ドライバーが走行中に耳にするのは、このエアコンプレッサーの動作音になる。そのため、実証試験車向けと比べて動作時の音圧を44%低減するとともに、加速感を演出するような音づくりに務めたという。また、圧縮効率を、小流量で従来比14%、大流量で同20%向上。サイズも同3分の2に小型化した。

豊田自動織機が展示した「ミライ」のエアコンプレッサー
豊田自動織機が展示した「ミライ」のエアコンプレッサー(クリックで拡大)

 水素循環ポンプは、燃料電池セルスタックと一体化することでモーターの放熱性を向上し、従来比で16%の小型化に成功。振動も半減させた。さらに、未反応の水素と発生する水を効率よく循環させることで、ミライの燃料電池セルスタックの特徴である“加湿器レス”にも貢献している。水素循環ポンプ用インバータも、ウォーターポンプとの一体化で冷却水路と電力供給を共通化し、従来比で23%の小型化を実現した。

水素循環ポンプ水素循環ポンプ用のインバータ (左)水素循環ポンプと(右)水素循環ポンプ用のインバータ(クリックで拡大)

 同社は自動車部品以外にフォークリフトも主力事業になっている。そこで、2015年度中をめどに、ミライの燃料電池セルスタックを搭載した燃料電池フォークリフトの開発も進めている。

 アイシン精機は、エア・バルブモジュールと排気排水弁、燃料電池セルスタックの集電部を展示した。

 エア・バルブモジュールは、発電時に供給されるエアを「調圧」「分流」し、発電しないときにエアを「封止」する機能をモジュール化した部品。排気排水弁は、高圧水素による脆化や、燃料電池セルスタックから生成される水による腐食・さびを防ぐ。

アイシン精機の「ミライ」採用部品
アイシン精機の「ミライ」採用部品。左側が、エア・バルブモジュールと排気排水弁、右側が燃料電池セルスタックの集電部である(クリックで拡大)

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