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ホンダのセダンタイプ燃料電池車はなぜ5人乗りを実現できたのかトヨタ「ミライ」と比較(1/4 ページ)

ホンダが発表したセダンタイプの新型燃料電池車のコンセプトカー「Honda FCV CONCEPT」は5人乗りを実現している。トヨタ自動車は、同じセダンタイプの燃料電池車「ミライ」を2014年内に発売するが4人乗りだ。両車の違いはどこにあるのだろうか。

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「Honda FCV CONCEPT」の重要部品のレイアウト

 ホンダは2014年11月17日、セダンタイプの新型燃料電池車のコンセプトカー「Honda FCV CONCEPT」を発表した。この発表日は、トヨタ自動車が、2014年内の量産発売を予定しているセダンタイプの燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の前日であり、燃料電池車に関する全ての話題をミライに持って行かれないよう、くさびを打とうという意志を明確に感じさせる。

 会見では、ホンダ社長の伊東孝紳氏の他、経済産業省の資源エネルギー庁 燃料電池推進室 室長の戸邉千広氏、環境省の自動車環境対策課 課長の小野洋氏が登壇し、燃料電池車に対する期待を述べた。燃料電池車の普及を推進している経済産業省だけでなく、再生エネルギーからの水素製造に力を入れている環境省が参加しているのは、独自の高圧水電解システムを採用したパッケージ型「スマート水素ステーション」も開発しているホンダの会見ならではといえるだろう。

ホンダの「Honda FCV CONCEPT」(左)とホンダの伊東孝紳氏(クリックで拡大)

 とはいえ、このHonda FCV CONCEPTをベースとする量産車の発売は2015年度内(2016年3月末まで)と、従来の2015年内という方針から一歩後退した形になる。伊東氏は、「先般からの課題をかんがみて、もう少し時間をいただきたいと考えた」と語る。この「先般からの課題」とは、「フィット ハイブリッド」で連続したリコールのことだ。

 そして、「自動車の電動化が進展しているが、燃料電池車はそれに輪を掛けて電動システムの制御が複雑になっている。その信頼性を高めるため、念には念を入れて、ちみつに制御システムを構築するのに時間をかけている」(同氏)という。

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