「シャトル」の鋭いフロントフェイス、インライン型LEDヘッドランプで実現:車両デザイン
ホンダの5ナンバーステーションワゴン「シャトル」は、「フィット」などと比べて、さらに鋭いイメージを感じさせるフロントフェイスになっている。これは、新開発のインライン型LEDヘッドランプの採用によるところが大きい。
ホンダは2015年5月15日、東京都内で会見を開き、5ナンバーのステーションワゴン「シャトル」を新たに開発し、同日に発売したと発表した。1モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」採用するなどして、JC08モード燃費でクラストップとなる34.0km/l(リットル)を達成。全幅を5ナンバーに収まる1695mmとするだけでなく、全高も機械式立体駐車場に対応する1545mmに抑えた。その一方で荷室容積は、クラス最大となる570lを確保した。税込み価格は、ハイブリッドモデルのFF車が199万〜238万円、4WD車が218万4400〜254万2000円。排気量1.5lのガソリンエンジンモデルも用意し、FF車が169万円、4WD車が188万4400円。月間販売目標台数は合計で3000台。
シャトルは、その名称から分かる通り、2015年3月に生産を終了した「フィット シャトル」の後継モデルとなる。2013年9月発売の3代目「フィット」の派生車種ではなく、5ナンバーのステーションワゴンとして独立した展開を行うため、開発の当初からフィットを外してシャトルとすることが決まっていたという。
とはいえ車両のプラットフォームは、フィットのものを拡張することなく使用しており、ハイブリッドシステムもフィットと同じi-DCDである。
「ソリッド・ウイング・フェイス」がよりシャープに
フィットからの大きな変更点は外観、特にフロントフェイスに表れている。フィットもシャトルも、フロントフェイスのデザインは「ソリッド・ウイング・フェイス」というアイデンティティーに基づいている。ホンダの「H」エンブレムを中心に、フロントグリルからヘッドランプまでを1つながりにすることで、横基調のシャープさによって、スポーティーさと未来館を感じさせるというものだ。
しかしシャトルのフロントフェイスは、フィットよりもさらに鋭いイメージを感じさせるデザインになっている。これは、従来よりも薄型になった新開発のインライン型LEDヘッドランプの採用によるところが大きい。
フィットのLEDヘッドランプは、ランプ状のLED光源からそのまま前方に投影するプロジェクション型だった。これに対して、シャトルが採用したインライン型は、ヘッドランプモジュール内の上側にLED光源を設置し、リフレクターで反射させる構造になっている。
この構造によってLEDヘッドランプが薄型になったため、LEDヘッドランプモジュール内にフロントグリルのメッキ加飾部が横方向に伸びて突き抜けるように感じさせるデザインが可能になった。これによって、ソリッド・ウイング・フェイスの横基調のシャープさをさらに強調する効果を生んでいる。
また、インライン型LEDヘッドランプは、プロジェクション型とは違い、ヘッドランプ全体が面的に光るように見える。これに、LEDヘッドランプ下部配置したライン状のポジションランプを組み合わせて、フロントグリルとの一体感を高めている。
なお、このインライン型LEDヘッドランプのサプライヤはスタンレー電気である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 輝き放つ車載LED
かつて、自動車で用いられるLEDと言えば、リアランプやメーターパネルの表示灯の光源として用いられる赤色もしくは黄色のものが中心であった。それに対し、現在ではへッドライトをはじめとするさまざまな自動車システムで高輝度の白色LEDが使用されるようになった。その結果、車載LEDの市場は大きく拡大しようとしている。本稿では、LED開発の歴史を概観した上で、LEDの特徴と、車載用途におけるLED採用のメリットについてまとめる。また、ヘッドライトをはじめとするLEDの採用事例や、車載用LEDドライバの開発動向について紹介する。 - 「プリウスα」が世界初のLEDヘッドランプを採用、1灯でローハイ切り替えが可能
トヨタ自動車はハイブリッド車「プリウスα」をマイナーチェンジした。先進性を象徴する装備として「世界初」(同社)のLEDへドランプ「Bi-Beam LEDヘッドランプ」を採用している。 - マツダが新世代ヘッドランプを披露、LEDアレイの採用で自動ハイビームが進化
「CEATEC JAPAN 2014」でマツダは、先行車や対向車の位置を検知してLED光源を部分的に消灯する自動ハイビームなど、夜間走行のドライバーの認知支援を強化した新世代ヘッドランプ技術「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」を展示した。 - 新型「レクサスIS」のLEDヘッドランプは第4世代、消費電力は第1世代の半分以下
新型「レクサスIS」は、小糸製作所の第4世代LEDヘッドランプを採用した。その消費電力は、2007年発売の「レクサスLS600h」に搭載された第1世代品の半分以下に低減されている。 - 新型「フィット ハイブリッド」燃費世界一の立役者、「i-DCD」の仕組み
ホンダの新型「フィット ハイブリッド」が、「世界一の燃費性能」(同社社長の伊東孝紳氏)を実現できたのは、新開発の1モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」によるところが大きい。7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の採用をはじめとするその仕組みはどのようになっているのだろうか。