FlashAirをLuaで制御、開発環境整備で需要を喚起:ESEC2015
東芝がESEC2015にて「FlashAir」をLuaスクリプトで制御してクラウドに接続、“差し込むだけのIoT化”を紹介している。開発環境の整備も進める。
東芝は「第18回 組込みシステム開発技術展(ESEC2015)」(会期:2015年5月13〜15日)にて、同社無線LAN内蔵メモリカード「FlashAir」をLuaスクリプトで制御してクラウドに接続、“差し込むだけのIoT化”を紹介している。
FlashAirは無線LAN機能を搭載することで、デジタルカメラ内のデータをスマートフォンなどから閲覧/コピーなどできるメモリカードだが、APIが公開されており、Webサーバなどのように使うことも可能。2015年3月に販売開始された第三世代製品ではLuaスクリプトによる制御が可能となり、カードに書き込まれたファイルを自動でアップロードするといった挙動も可能となった。
デモではIoT端末に模したデバイスに設置されたセンサー(光、音)から取得した情報をサーバにアップロードし、サーバからの信号によって端末の制御(搭載されたLEDの点灯)も行っていた。既存のFlashAirでも類似の挙動は可能だったが、汎用性の高いスクリプト言語であるLuaに対応したことで、より利便性が高まったことが特徴だ。ブースにはSPI/I2CブリッジICを搭載した開発用ボードも参考展示されていた。
同社としてFlashAirをカメラ用メモリカードとしての他“モノのIoT化を推進するアイテム”として位置付けており、東芝自身がFlashAirを搭載した製品/デバイスを発売する予定はないとしている。ただ、ブースでは電話機にFlashAirを搭載しニフティのVPN「SmartServe」と組み合わせることで通話記録の解析や小規模コールセンター構築が可能になる用例もあわせて紹介しており、開発環境を整備することで多種多彩な需要を呼び起こしたい考えだ。
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