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メイカーは「リレカチ」がお好きMaker Faire Tokyo 2014(1/2 ページ)

リレーとはコイルに電流を流すことにより、電磁石効果で接点を切り替えるスイッチ。カチカチという音が今では逆に新鮮なのか、Maker Faire Tokyo 2014ではリレーを使った作品に幾つか遭遇した。

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 筆者はWebブラウザだけでプログラム開発から実行まで行える「Scratch 2.0」を用い、センサーの接続や外部デバイスのコントロールに挑戦する「Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング」という連載をしているが、その第11回でScratch2.0からリレーを駆動するという記事を書いた(Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング(11):Scrach 2.0で“リレカチ”に挑戦!)

 電子工作の入門としてLEDの点滅を題材にすることが多い(いわゆる「Lチカ」)のだが、それに似た「ノリ」でリレーを駆動することを「リレカチ」と命名した。この呼び名を流行らせたいと密かに目論んでいる。そんなわけで、電子工作とDIYの祭典「Maker Faire Tokyo 2014」(2014年11月23〜24日、東京ビッグサイト)で見つけたリレーを扱った作品を何点かピックアップしてみた。

ICを使わないコンピュータ

 まずKataandTakaの「ICを使わないコンピュータ」を紹介する。リレーを使ったコンピュータだ。コンピュータの歴史を語るうえで、まだトランジスタや集積回路がなかった時代、リレーを用いた計算機があったことは読者の皆さんもご存知だろう。筆者もどこかの企業か大学で展示されているのを見た記憶がある。しかし実際に動作しているものを目の当たりにするのは今回が始めてだ。

 プリント基板の4枚構成になっている。1枚の基板が40cm×50cm程度だあろうか(展示用の長机の幅が60cmなのでそれを基準に推測した値である)。それぞれ演算ロジック基板(ALU)、レジスター基板、揮発性メモリ基板(RAM)、不揮発性メモリ基板(ROM)の構成である。

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KataandTakaの「ICを使わないコンピュータ」
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リレーだけで円周率の計算を行っていた

 不揮発性メモリ基板にプログラムを格納するが、ここだけにはDIPスイッチが用いられている。このDIPスイッチの設定を変えることでプログラムを変更することが可能だ。写真は円周率の計算を実演しているところである。クロックスピードはおおよそ数十Hzといったところであろうか。リセットを押して数分すると7セグメントのLEDに3.14と表示された。

半導体フリー時計

 次にClock_Handsのリレーとモーター、それとニキシー管で作った半導体フリーの時計を紹介する。表示された数字はイベント(MFT2014)開始からの経過時間である。クロックにはモータが使われている。1回転1秒のモータ軸に円盤が取り付けられており、その1箇所に磁石がある。磁石が通過すると磁力に反応するリードスイッチが作動し1秒の時を刻む。

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Clock_Handsの「リレーとモーターで駆動する時計」

 写真では見づらいがケースの背面にモータが設置されている。基板後部に整然と配置されているリレー群がカウンター回路である。フリップフロップ回路を必要なビット数をカスケード結合して構成する。ニキシー管に近いところのリレー群がデコーダ回路である。ニキシー菅を駆動するためにカウンターの2進数を10進数に変換する回路である。

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98個のリレーが使われている

 展示している「Clock_Hands」は大学のサークルらしく、代々先輩からこのリレー時計の作り方が後輩へと伝授されているそうだ。

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