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計算機はクラウドの時代へ、セキュリティの進化が後押しベンダーに聞くCAE最新動向(2)(1/3 ページ)

CAE業界において、クラウド化という新たな動きが進みつつある。CAE最新動向を有力ベンダーに聞くシリーズの第2回は、クラウド化の背景やクラウド化の際に生じる課題、先行する欧米の状況などについて、CAEベンダーのヴァイナスに聞いた。

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 CAEについては過去40年ほど間でメインフレームへの集中や分散処理型の採用などの流れがあったが、現在のうねりの1つはクラウドサーバだ――。

 ヴァイナス代表取締役社長の藤川泰彦氏は、近年のCAE事情をこう説明する。

 研究所や企業の研究開発部門などにおける最先端の解析研究では、現象をより正確に理解するため、高い解析精度が追求される。そのため計算量は増加の一途をたどっている。


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ヴァイナス代表取締役社長の藤川泰彦氏

 パラメータを振って計算を繰り返す最適化も、計算量増加の大きな要因となっている。そのため社内や研究所内のサーバがひっ迫するようになっている。またそれとともに問題になっているのがライセンス料の負担である。商用ソルバを使うと、ジョブ数が増えるごとにライセンス料が掛かってしまうからだ。実際にここ5年ほどを見ると、ハードウェアのコストアップよりアプリケーションライセンスのコストアップが大きな負担となっているという。

大規模化への解はクラウドHPCだが

 そこで企業や研究所では、大規模な計算についてはスパコンやクラウドサービスの利用が進みつつある。また、膨らむライセンス料への対策としてはオープンソルバの採用が進んでいるという。だがそこで問題になるのが、クラウドコンピュータやオープンソルバを利用する際のハードルの高さだ。スパコンのOSはほぼ全てLinuxベースとなる。また外部コンピュータを使う場合、ソルバのポーティングやコンパイルといった準備作業が必要になり、コマンド送信なども手間がかかる。

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クラウドコンピュータ利用時の難しさ

 商用ソルバであればそういった準備はベンダーが対応してくれる場合もある。だがオープンソースソルバや独自開発ソルバでは全て自前で実施しなければならない。とくに普段Linuxに触れていなかったり、オープンソルバが初めてだと相当ハードルの高い作業になる。さらにデータ量が膨大になるため、そのやりとりをどうするかといったことも切実な問題だ。

 それでも、自前でハードをそろえるよりはコストを抑えられることから、外部スパコンの需要は高まりつつある。またオープンソルバもコストダウン効果や精度の向上が進んでいることにより選択肢として浮上中だ。

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