白内障向け画像処理を搭載した無散瞳型デジタル眼底カメラ:医療機器ニュース
キヤノンは、白内障向け画像処理を搭載した無散瞳型デジタル眼底カメラ「CR-2 AF」を発売した。白内障向け画像処理に加え、コントラスト強調機能も搭載し、鮮明な画像で眼底の状態を確認できる。
キヤノンは2015年4月16日、白内障向け画像処理を搭載した無散瞳型デジタル眼底カメラ「CR-2 AF」を発売した。簡単な操作で高画質な眼底画像を撮影でき、検査時間の短縮や被検者の負担軽減に貢献するという。
眼底カメラは、眼底血管の走行状態や出血の有無、網膜の状態などの眼底画像の記録に用いられ、眼科疾患の診断に広く利用されている。眼底の診察結果から全身の血管の状態を推測し、高血圧や動脈硬化の進行、糖尿病などの全身疾患を発見する手掛かりを得ることもできるため、生活習慣病健診にも活用されている。
CR-2 AFは、赤外光で観察するため、散瞳剤(瞳孔を開く点眼剤)を使用せず、45°のカラー眼底写真が撮影できる。白内障向けの画像処理を搭載し、白内障などによる中間透光体の混濁で画像が不明瞭で眼底の状態が分かりにくい場合でも、視神経乳頭や網膜の血管が見やすくなった。
また、同社初となるコントラスト強調機能も搭載し、血管とその周囲の明るさと赤みの差を強調することで、血管の輪郭を際立たせることができる。これにより、より鮮明な画像を撮影できる。
さらに、観察時の前眼部観察から眼底観察への自動切り替え機能、焦点を自動で合わせるオートフォーカス機能、適正な位置とタイミングで自動的に撮影するオートショット機能も搭載した。従来機と同様、AE機能も搭載し、観察・撮影時の被検眼に応じた露出を自動で調整できる。
価格は320万円(税別)で、生産台数は月200台の予定。同社では、健診施設を中心に、眼科クリニックや一般病院での導入を想定しているという。
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