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企業買います! 積極M&Aに乗り出すパナソニック、1兆円規模の戦略投資実行製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

パナソニックは2015年度の事業方針を発表した。2018年度の目標である売上高10億円に向けて、住宅事業と車載事業を中心に、M&Aも視野に入れた戦略投資を進める方針だ。

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カギを握る住宅事業

 住宅事業について津賀社長は「当社は家電、設備、住宅そのものを併せ持つ唯一の会社だ。その技術と知見の組み合わせで新しい暮らしの価値を提供し、強みを生かせる事業を強化していく」と強調する。住宅設備・サービス事業では強みの物販事業の拡大に加えて、エイジフリー事業の展開をさらに加速させる。

 住宅事業ではパナホームが主体となり、国内ではリフォーム事業の業界ナンバーワンに挑戦。総合的なリフォーム会社として事業拡大を進める。海外では台湾、ASEANでの住宅事業を本格展開する。台湾では現地ディベロッパーと合弁で事業を推進。ASEANでは新工法を用いた地域密着型の専用住宅を投入することで、ボリュームゾーンの攻略とスマートシティ案件の獲得を進める。

 また、エイジフリー事業では介護用品からサービスまで介護を必要とする人たちの暮らしをトータルでサポートできる同社の強みを生かす。このほど開設したショートステイ付き介護サービスができるパナソニックエイジフリー登戸と同じモデルを、前年プラス30拠点を目標に全国で積極展開し、エイジフリー事業全体で2018年度には売上高1800億円(2014年度比3倍)を目指す。

 リフォーム事業ではショウルームをより拡充し顧客との接点強化を図る。リフォームコーナーを設置したショウルームは前年比で4拠点増やす。併せて分散していた元請け機能を一元化し2018年度売上高5800億円(同1.7倍)に引き上げる。

photophoto 住宅事業の成長ロードマップ(左)と(クリックで拡大)※出典:パナソニック

車載事業はADASを強化

 車載事業は既に2014年度の積極的な受注活動により2018年度の売上目標である2.1兆円のうちの現時点で7割の受注が確定した。さらなる受注の獲得に向けて2015年度は快適領域では新規商材開発と販路拡大を進める。安全領域ではADAS(Advanced Driving Assistant System)への先行投資を拡大する方針だ。環境領域では競争力のある車載電池の継続投入にそれぞれ取り組む。

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車載事業の成長ロードマップ(クリックで拡大)※出典:パナソニック

家電事業では海外新組織を設立

 海外戦略は家電事業を中心に展開していく。地域のニーズにあった商品・サービスを地域の責任で迅速に市場投入し、成長を実現する目的で2015年4月にAPアジアとAP中国を設立する。ここに開発・製造・販売の機能を集約し、域内の事業権限を大幅に委譲することで事業拡大を加速させる。特にAPアジアではジャパンプレミアムを訴求し憧れを醸成。重点国であるベトナム、インドネシア、フィリピンでの取り組みを強化する。AP中国では富裕層へターゲットを絞りプレミアム商品に開発リソースを特化し、ローカルメーカーとの差別化を図る。

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家電事業における海外強化策(クリックで拡大)※出典:パナソニック

 また、BtoB事業の強化を目指してAVCネットワーク社の榎戸新社長が最大市場である米国を拠点に活動を推進。M&Aなどの投資判断、執行についても北米を基軸に判断していく。

戦略投資1兆円以上、M&Aを積極的に進行

 この他、2018年度に向けて通常の設備投資に加えて、1兆円規模の戦略投資を実行する。中身については長期的な成長が実現できるようなM&Aに加えて、成長を加速するための研究開発、宣伝などが含まれている。このうち、2015年度については約2000億円を追加で投資予定だ。

 ただ津賀社長は「過去に大規模投資が減損につながった反省を踏まえて、今後は成長投資によって増加する資産にも目を向け、将来に負の遺産を残さないような事業運営を進めていく」と述べている。

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戦略投資の計画(クリックで拡大)※出典:パナソニック

 なお、M&Aについて津賀社長は「まだ確定しているものは何もないが」と前置きしながらも「BtoBの領域、車載関係では大規模なM&Aができるような企業が存在するとはみている。また、住宅に関しては国内の市場が成熟化していることからM&Aも考えられる」と含みを残した。



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