“普通の会社”パナソニックが3年ぶりに黒字転換――円安で国内生産も増強:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
パナソニックは2013年度の決算を発表。構造改革の成果により、最終損益が前年度の7543億円の赤字から黒字転換した他、2018年度の売上高10兆円の目標に対し順調に推移していることを示した。また業績改善に対する設備投資の方針なども明らかにし、一部製品では円安の状況に対し国内生産を増やす方針を明らかにした。
パナソニックは2014年4月24日、2014年3月期(2013年度)の連結決算を発表した。同社は2013年3月期(2012年度)まで2期連続で7000億円を超える最終赤字を出してきたが、2013年度はついに3年ぶりの黒字転換を実現した。プラズマディスプレイパネルの生産停止や半導体事業の再編など、構造改革の成果に加え、住宅向け事業や車載機器事業が好調で、全体をけん引した。同社は2019年3月期(2018年度)に売上高10兆円を目指す方針を示しており、成長に向けたリソースシフトを加速している(関連記事:パナソニックが注力する「8/5×3」とは?)。
3年ぶりの黒字転換
パナソニックの2013年度の連結決算は、売上高が前年度比6%増の7兆7365億円、営業利益が同90%増の3051億円、税引き前利益が同6046億円改善し2062億円、当期純利益が同8747億円改善し1204億円となり、3年ぶりの黒字転換を実現した。
同社は2013〜2015年度の3カ年を対象とした中期経営計画を進行中で、2013年度はその最初の年となる。2期連続で7000億円を超える最終赤字を出していたことから、2013年度は構造改革の求められた1年だった。その中でプラズマディスプレイパネル生産の停止や半導体事業における工場の売却や、ファウンドリ(半導体の製造受託サービス)企業との合弁設立など、大幅な事業ポートフォリオの再編を進めた。その結果として黒字転換を実現し、再建に向けて一定のめどを付けたことになる。
2013年度の業績についてパナソニック 代表取締役社長の津賀一宏氏は「『普通の会社になる』『新しいパナソニックの成長基盤を作る』を目標にさまざまな変革を進めてきた。事業部ごとに採算を求める事業部制に戻し、その上に4つのカンパニーを設立する体制へと変革した。これらの効果が出てきており、1年目としては想定以上の滑り出しにできた」と話している。
2014年度は引き続き構造改革の完遂を目指す他、2018年度の10兆円の目標に向けて、新たな成長に向けた仕込みを行う1年だと位置付ける。
職分の配置を再編
2014年度からはAVCネットワークス社のBtoC分野やエコソリューションズ社の空調機器販社、三洋電機直轄のテレビ事業、空調機器販売部門などと白物製品などを統合し「アプライアンス社」とする。BtoC部門を統合して管理できる体制に変更する。
これによりBtoC製品の「アプライアンス社」、住宅や業務用空調などを扱う「エコソリューションズ社」、BtoBの映像ソリューションやシステムソリューションなどを展開する「AVCネットワークス社」、車載用の部品やデバイス、関連機器などを展開する「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社」の4カンパニーへと、業務範囲をより明確に設定した。
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