パナソニック、法人向け堅牢スマホ発売――製造現場などの過酷環境で使用:FAニュース(1/2 ページ)
パナソニックは、法人向け堅牢タブレット「TOUGHPAD」シリーズで新たに5型で音声通話対応の「FZーE1」「同X1」の2機種を2014年6月中旬に発売する。
パナソニックは2014年2月24日、法人向け堅牢タブレット「TOUGHPAD(タフパッド)」シリーズで、音声通話対応の「FZーE1」「同X1」を2014年6月中旬から順次発売すると発表した。製造現場の入出荷や、製造設備のメンテナンス作業などでの活用を見込む。同社は2013年9月に個人向けスマートフォンの新製品開発休止を発表する一方、B2B(企業向け)については新製品の投入を示唆していたが「今回の機種が、その戦略製品となる」とパナソニック AVCネットワークス社 社長の宮部義幸氏は述べている(関連記事:パナソニックが事業再編を拡大、プラズマとスマホに続きエアコンとデジカメも)。
「モバイル性の向上」と「2台持ちの解消」
同社ではこれまで、1996年に堅牢PC「TOUGHBOOK(タフブック)」、2012年に堅牢タブレット「TOUGHPAD」を展開するなど、堅牢性の持つ汎用モバイル端末を展開し、海外の過酷な現場業務を中心に高いシェアを獲得してきた。今回は同社がこれまで展開してきたこの「TOUGHPAD」のノウハウをベースとし、さらにスマートフォンのリソースを投入したことで、小型化・軽量化に成功。「モバイル性の向上」と「2台持ちの解消」というニーズを満たし、新たな需要を開拓していくという。
パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 事業部長 原田秀昭氏は「事業領域の明確化、顧客とのパートナーシップ、一歩先行く製品開発の3つを基本方針として製品開発に取り組んでいる。さらに小型・軽量化し音声通話にも対応することでより幅広いニーズに応え、利用領域を広げていきたい」と話す。
耐久性能を徹底的に追求
新製品は、LTE/3G回線での音声通話に対応し、高輝度高コントラストの5型HD(1280×720ピクセル)液晶を搭載した音声通話対応の堅牢型タブレットだ。
MIL-STD-810G※1)準拠に加え、独自の3mからの落下試験にも耐え得る耐落下・衝撃性能を持つ。加えてIP65/IP68※2)準拠の防塵・防滴/防水性能により、1.5mの水圧に30分耐える他、75μmの粉じんが入らない設計になっている。ガラス面はさらに400グラムの鋼球を高さ80cmから落とす試験も実施しており、耐久性には万全を期している。さらにヒーターを内蔵し、−20℃〜60℃まで動作が可能だ。
※1)米国国防総省の性能試験の一種。
※2)IEC60529 /JIS C0920で規定される防塵・防滴・防水性能。
屋外での過酷な条件下での利便性も向上させている。500cd/m2の高輝度バックライトを搭載し、視認性に優れた反射防止ディスプレイを搭載することで、明るい太陽光の下でも操作を行える。さらに5mm以下の厚みのグローブであれば、グローブをはめたままで操作が可能である他、水滴による誤動作を防止する機能なども備えた。これらのタッチパネル操作技術を「タッチパネルUI」として特許申請中だという。
100dBAの2つの大口径スピーカーを搭載した他、マイクを3つ搭載しさらにこれらを生かしたノイズサプレッサー機能を採用しており、工場や工事現場などの騒音下でも快適な音声通話が可能だ。また約14時間駆動可能な6200mAhの大容量バッテリーと1時間で約50%充電が可能な3A急速充電機能を備えるとともに、電源を切らずに電池交換ができるホットスワップ機能を搭載し、業務用ニーズに応えている。
バーコードリーダー(1次元/2次元対応)も搭載しており、全36種のバーコードに対応。暗い場所でも読み取り可能なライト&照準器搭載し、製造現場の入荷、出荷作業などにも活用できる。
価格はオープンだが、参考価格は1台13万円前後だという。
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