ちゃんと仕込みはできてる? ――工業製品設計フローの本来あるべき姿:甚さんの「サクッと! 設計審査ドリル」(9)(3/3 ページ)
あなたの現場の製品設計はどのように進めていますか? 宅配弁当の商品開発より手間は掛かっていますか? そこに“あるべきもの”は、ありますか?
次回までの宿題
次回の宿題に入る前に、コンビニ弁当(料理)と工業製品を図3で比較してみます。
お弁当づくりのレシピが設計書なんですね。そして私たちの図面は、お弁当だと材料表。ピッタシ・カンカン!
そうだぜぃ、エリカちゃん。弁当(料理)にあって、われわれのいる工業界にないわけがないよなぁ。そんじゃ、また設計審査の定番質問といこうじゃねぇかい。今回は、材料に関することだ。
うーん、どうせまた、「べらんめぇ!」って言われるんだろうな。
さっさと答えろっ!
ふっ、なんだぁー。そんな簡単な質問ですかー? さびにくい順に並べると、SUS430、SUS340、SUS316! 僕、機械材料は得意中の得意だし!
……それだけか?
はい。
べらんめぇ! もう忘れたのか? 技術者の四科目を? あん? まず、四科目で答えろっちゅうんだ! それから第4回にも出てきた「材料選択の13項目」はどうした!
ほらぁ、やっぱりー(泣)
甚さんシリーズでは何度も登場してきたのが「技術者の四科目」、つまり、Q(Quality、品質)、C(Cost、コスト)、D(Delivery、期日)、Pa(Patent、特許)です。つまり良君はQしか回答していません。Qしか考慮しないで、食材を選択する料理人がいるでしょうか? おまけに、この連載でも取り上げた材料選択の13項目も早速忘れてしまったようです。
さあ皆さんも考えてみましょう。次回をお楽しみに!
Profile
國井 良昌(くにい よしまさ)
技術士(機械部門:機械設計/設計工学)。日本技術士会 機械部会、埼玉県技術士。横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師。首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師。
1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師としても活躍中。「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」(日刊工業新聞社)と「ついてきなぁ! 『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!」(日刊工業新聞社)をはじめとする多数の書籍を執筆。
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