“昭和の道具”ポンチ絵からの卒業:甚さんの「サクッと! 設計審査ドリル」(8)(3/3 ページ)
設計前の「仕込み」に当たるのは、どんな作業でしょうか? ポンチ絵じゃなければ、一体何を描けばいいのでしょうか?
次回の宿題
でも、「いきなり3次元CADに向かうのは、『設計者』じゃなくて、『3次元モデラー』」って、以前甚さん言ってたじゃないですかー。
「3次元CADで、いきなり『設計』を始めんな」って言ってんだ。概略構想図は、そもそもノットスケールで描いてるし、あくまで『設計の仕込み』だ。で、概略構想図も仕込みの作業の一部。いきなり3次元CADに向かうわけじゃない。ところで、オメェらはどういう流れで設計してるんだ?
えっと……、製品企画ができたら、設計キックオフのミーティングがあるでしょ? で、構想設計を始めて……って感じですかね。
いやいや、そんなざっくりじゃなくて、もっと細かくだ。大企業には社員食堂があるが、中小企業の場合だと、業務用宅配弁当を注文していることが多いよな。製品設計も弁当作りも、似たようなもんだぜぃ。そういうわけで、これを見てくれぃ!
甚さんはああ言ってるけど、ウチの会社の製品設計フローがお弁当と似たような感じになるとは、どうしても思えないのよ。だって、お弁当の方がはるかに立派なんですもの。
さて、エリカちゃんを落胆させない“仕込み”や開発フローになるでしょうか? また、お会いしましょう!
Profile
國井 良昌(くにい よしまさ)
技術士(機械部門:機械設計/設計工学)。日本技術士会 機械部会、埼玉県技術士。横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師。首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師。
1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師としても活躍中。「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」(日刊工業新聞社)と「ついてきなぁ! 『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!」(日刊工業新聞社)をはじめとする多数の書籍を執筆。
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