アルゴリズムが無限のデザインを創り出す――Grasshopper使いの“3D漬け”生活:デジタルモノづくり人物探訪(2)(3/3 ページ)
3Dモデリングツールや3Dプリンタを活用し、モノづくり業界で活躍するエンジニアやクリエーターにスポットを当てる本企画。今回は「Rhinoceros」と「Grasshopper」を使ってシャツやスカート、着物作りに挑戦する小野正晴氏を紹介する。
完成されたやり方とは違うアプローチで実現
――「服」を作るという点においてもノウハウが必要だと思うが?
小野氏 一般的な服がどうやって作られているか、正直よく分かっていない。私の場合、「トルソー(胴体部分のマネキン)」を買ってきて、それを「Kinect for Windows」で3Dスキャンして、ざっくりとした体のカタチを取得。そこにサーフェスを巻き付けて服のカタチを作っている。そして、そのサーフェス上に服のパーツとなるパネルとジョイントを一気に並べられるアルゴリズムを組んで、服をデザインしている。Kinectに行き着いたのも、ネット検索で安価に3Dスキャンできる方法を調べた結果だ。
とにかく、どうやったら自分が作りたいモノを実現できるかだと思う。だから、3Dスキャンのことを調べたり、アルゴリズムの勉強をしたり、と自分がこれまで知らなかった世界のことを吸収し、試行錯誤しながら活動している。
ノウハウがなくても、案外、(完成されたやり方とは)違うアプローチの仕方で実現できることがある。だから、デザイナーだって、アルゴリズムを組んでモノをデザインするのが当たり前になる時代が来てもおかしくないと思っている。
――次に取り組んでみたいテーマは?
小野氏 いくつかやってみたいことはあるが、正直まだ決め切れていない。人から「えっ、3Dプリンタでこんなものが作れるの!?」と驚かれるようなモノを作ってみたい。とにかくデカイものとか、アイドルの衣装とか(笑)。
いずれにせよ、私がOMOTE 3D SHASHIN KANやNervous Systemから受けた衝撃と同じ感覚を、人に与えられるような作品を手掛けてみたいと思っている。
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