百貨店には売ってない、世界で1つだけのジュエリーを作る! デジタルジュエリー体験記:国産ジュエリーCADを使ってみた(1/4 ページ)
STLデータから本格ジュエリーが製作できるサービス「make.digitaljewelry」を運営するジュエリーデザイナーの佐藤善久さんの協力の下、国産ジュエリーCAD「JCAD3 GLB」を使い、オリジナルデザインのシルバーリング製作に挑戦。3Dプリンタと職人技の融合を見た!
皆さん、こんにちは。「3Dモデラボ事務局」の“うでみ”です。
先日、「3Dモデラボ」のユーザーであり、「make.digitaljewelry」を運営するジュエリーデザイナーの佐藤善久さんから、「もしよければ、3D CADでデザインしたアクセサリーをシルバージュエリーにしてみませんか?」というお誘いをいただきました。
自分で考えたデザインを本物のシルバージュエリーにできるなんて、女子にとっては憧れの世界です。ただ筆者はまだCAD“超”修行中の身、果たしてそんな大それたことができるのでしょうか……。そんな不安を抱えつつ、「初心者でも大丈夫です!」「CADが使えなくてもラフ画を描いてきてもらえればレクチャーしますよ!」との佐藤さんのお言葉に甘えて、ざっくりとしたラフ画を抱えて待ち合わせ場所へと向かいました。
「make.digitaljewelry」で何ができる?
佐藤さんが運営するmake.digitaljewelryは、3D CADを使って自分でデザインした3Dデータ(STL)からジュエリーを製作してくれるサービスです。他の3D出力サービスとの違いは、ズバリ「職人」が製作から仕上げまでの各工程を手掛けてくれる点にあります(画像1)。
他の3D出力サービスでもSTLデータを入稿すれば、シルバーや金、プラチナなどのジュエリーを作成できますが、結婚指輪のような本格的なものを作りたいとなると、いろいろな不満点が出てきます。
例えば、宝石を使いたいと思っても埋め込むことができなかったり、0.8mm以下のデザインに対応していなかったり、文字彫りのサービスがなかったりなどです。「やはり、本格的なジュエリー製作には職人の手作業がまだまだ欠かせませんよ」と佐藤さんは言います。
そんな現状の3Dデータ出力サービスでは行き届かない、職人による本格的なジュエリー製作の手助けをしてくれるのがmake.digitaljewelyなのです。
いざ! 製作開始!
佐藤さんに案内されて向かった先は、貴金属加工の職人さんが集う「アルファ21」の工場です。make.digitaljewelryに届いた3Dデータは、こちらの工場で働く職人さんたちの手により、本格的なジュエリーに仕上げられていきます。
早速、佐藤さんとデザインの相談です。
さて、どんなジュエリーを考えてきましたか?(佐藤さん)
えっと……。『定時』という文字が入った指輪を作りたいんですけど……(筆者)
……(佐藤さん)
怒られることを覚悟で持って行ったラフ画(画像2)ですが、「……。ああ! 文字もCADで入力できるので大丈夫ですよ」と笑顔でOKをもらえました。
よ、よかった……。
これでさりげなく「今日は定時に帰りますよ」というアピールのできる夢のような指輪、「定時リング」が実現できそうです。ベースデザインが思いのほかすんなりと決定したところで、指輪のサイズを測り、いよいよCADによるデータ作りです。ちなみに、細かい装飾の部分などはレクチャーを受けながら決めていくことにしました。
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