「NDロードスター」は「魂動デザイン」のセンター中のセンター:マツダ デザイン本部長 前田育男氏インタビュー(4/4 ページ)
2012年2月発売の「CX-5」以降、「アテンザ」、「アクセラ」、「デミオ」と新世代商品の販売が好調なマツダ。その商品力を支えるデザインテーマ「魂動(こどう)−Soul of Motion」を生み出した、同社執行役員 デザイン本部長の前田育男氏に、魂動デザインを導入した意図や、今後のマツダデザインの方向性について聞いた。
「SKYACTIV」とは求めている上質感が同じ
MONOist 魂動デザインというとエクステリアのイメージが強いですが、インテリアについてはどう考えていますか。
前田氏 インテリアもエクステリアと同じで、大きな空間の動きを作るという方向性は変わりません。フォルクスワーゲンのように水平基調で動きのないものを作るつもりはありません。今のジェネレーションでは、素材を含めて質感を上げていくことに注力しています。
MONOist 従来の定義では高級車とはいえないデミオで、最も質感の高いインテリアを実現したという説明を受けたことがあります。
前田氏 安いクルマだからこの程度いいだろうという妥協はしたくありません。とにかく常に上を目指して進化させていきながら、その進化をできる限り早いタイミングで他のクルマにも広げていくようにしている。今回、CX-5とアテンザの改良では、デミオのインテリアデザインを採用して、改良前よりも大幅に質感を高めました。
MONOist 魂動デザインを推し進めることで、マツダ車の価値を高めるという作業をけん引しているという実感はありますか。
前田氏 実は、魂動デザインとSKYACTIVは、求めている上質感が同じという意味で極めて深くリンクしています。デザインが良くて走りが悪い、走りは良いけどデザインがダメ、というのではクルマの完成度は低い。だからこそしっかりリンクして、全てを良くするというようにしなければならないのです。お互いが常に両方を見ながら、同じ志でやっています。
魂動デザインはSKYACTIVよりも進行が遅れていましたが、何とかキャッチアップして一緒に進められる体制にしました。SKYACTIVもそうですが、ゼロからスクラッチで新しいものを作るなんて、自動車業界では10年に1回あればいいほうです。そのタイミングでデザインも一新すべきだと考えたからこそ、魂動デザインとSKYACTIVのリンクした展開を実現できているのでしょう。
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