スマートホームだと「お父さん今日のご飯何がいい?」とか聞かなくてもいい:IoT(2/2 ページ)
三菱電機は研究成果披露会でスマートホームコンセプトを展示。センシング技術の活用により、「ココロとカラダ」の状態変化を家族で共有し、日々の生活のサポートとコミュニケーション機会の創出を実現するという。
もう今晩のメニューに困らない次世代スマートキッチン!
玄関を入り右手に進むと、そこは独立型のシステムキッチンと壁面収納と一体化した冷蔵庫が置かれていた。ドアノブと同様、ここにもセンシング技術を活用したさまざまな機能のコンセプトが織り込まれていた。
「そういえばパパは疲れ気味だった……。今晩のメニューはどうしよう」と、玄関で見た情報を思い出しながら冷蔵庫の前に進んで見ると、なんと外装部分にお勧めのメニューが表示されている。
ドアノブから取得した家族の体調と、冷蔵庫に保管されている食材の情報を組み合わせ、最適なメニューを提案するというコンセプトだ。そして独立型システムキッチンのテーブル上を見てみると、そこには料理のレシピが表示されている。文字と写真だけでは分かりにくい調理工程については、動画による解説も確認することができた。
この他にもさまざまな機能が搭載されており、キッチンの一部にはワイヤレス給電システムが組み込まれていた。対応するミキサーなどの機器をそこに置くと、コンセントに電源ケーブルを接続することなく調理を行える。こうしたセンシング技術を活用した機能だけでなく、引き出し型のオーブンや製氷機、スライド可能なIHクッキングヒーターなど、従来からある機能についても、より使いやすくデザインしたコンセプトとなっていた。
なお今回の展示は、全てコンセプトモデルのため、実際には画像や動画をさまざな部分に投影しているものだ。今後の実用化について三菱電機の説明員は、「具体的な製品化計画は未定だが、今後も研究開発を進める予定。スマートホームというと、現在ではエネルギーの節約といった観点で注目されることが多いが、今回はその先を見据えて“より快適な生活”をテーマにコンセプトモデルの提案を行った」と説明している。
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