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実用化進む「装着型ロボット」勝算は、アクティブリンク藤本社長に聞くインタビュー(2/2 ページ)

多くの装着型ロボットを開発してきたアクティブリンクが2015年、ついにロボットの量産を開始する。ビジネスとしての勝算はあるか、藤本社長に聞いた。

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アシストスーツ製品化を通じて得たもの

――2015年度中には「アシストスーツ AWN-02」を製品化する予定です。どのような現場へ、どのような手段で届けることを想定しているのでしょう。

藤本氏: AWN-02は「できないことをする」のではなく、「負担を軽減する」アシストスーツです。投入分野としては、手作業での荷物積み卸しが多い物流と建設建築を中心に考えています。販売に関しては先日「1台50万円以下が普及時の目標」とお話ししましたが、製品化当初は高価なものとなるため、レンタルでの提供も検討しています。

 レンタルであれば、導入先は現場にパワーアシストがなじむかを試すことができますし、私たちとしても(販売より)出荷台数を多く見込めます。保守業務も提供しやすいと考えています。

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「アシストスーツ AWN-02」はリュックサックのように背負って装着する。装着の容易さと機構のシンプルさも特徴だ。「特別なセンシングなどは必要なく汎用センサーで取ったデータの変動で身体状況を把握し、それに対し適切な方向にアシスト力を加えるという仕組み」(藤本氏)
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アクティブリンクのパワードスーツの制御方法(出典:アクティブリンク)

――AWN-02は装着型ということで、装着者の安全を気にする企業もいるかと思います。ISO 13482(医療用を除く生活支援ロボットの安全規格)を取得する予定は。

藤本氏: ISO 13482相当のチェックはしていますが、AWN-02はあくまでB2B向けなので(取得は)ちょっと違うかなと思います。建設機材レンタルのように、保険込みでの提供にすることで対応できると考えています。

――開発発表したものを時系列に並べると、「力を増幅する」ものから「補助する」ものへとシフトしているように見えますが、それはビジネス化をにらんでのものでしょうか。

藤本氏: 作業者の力を増幅するハイパワー型の予定もあります。2017年には全身装着型、2020年には重作業を行えるハイパワータイプの製品化を目指しています。ハイパワータイプは小型クレーンの代わりを狙うもので、これまで3〜4人で運んでいた重量物を1人で運べるだけの力を出します。ここまでくると、パワーバリアレスというより、人間の機能拡張というニュアンスを強く含んだものになりますね。

 開発をハイパワー型から始めたのはノウハウを収集するためで、実際の製品としてのカタチを作るのは利用者の意向です。マーケットインとまではいきませんが、開発途中で他社を含めたいろいろな人に製品や技術を見てもらっており、ある程度の需要の吸い上げはできていると思います。

 2015年内にはAWN-02を市場投入します。爆発的なヒット商品になるとは思っていませんが投入することでニーズを明確化できると思いますし、並行して、商用製品の開発元として市場に対応できる体制も整えていきます。物流および建設建築の現場作業支援デバイスという意味では、市場がニッチすぎて大企業の参入もないでしょう。

 AMN-02の商品化を通じてさまざまなノウハウも蓄積できましたし、優れた販売チャネルを持った株主(パナソニックと三井物産)との連携のおかげで売る準備もできました。これからは技術系ベンチャーの販売/営業の支援を手掛けることも可能だと思います。いろいろな人と一緒にやっていきたいですね。

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