沖縄発の医療回診車が無医地区を救う:MEDIX関西
「第5回 関西 医療機器開発・製造展」と併催の「第1回 関西 病院イノベーション展」では、沖縄の企業であるトイファクトリーインターナショナルが医療回診車を展示した。
2015年2月4〜6日にインテックス大阪で開催された「第5回 関西 医療機器開発・製造展(MEDIX関西2015)」。他にもさまざまな医療関連展示会がインテックス大阪の会場全体を使って併催されており、これら全体をまとめて「メディカル ジャパン2015」と呼称している。
併催展の1つ「第1回 関西 病院イノベーション展」において、トイファクトリーインターナショナルが医療回診車を展示していた。
医療回診車とは、ドクターのいない地域、いわゆる無医地区などで医療従事者が回診を行うために使う車両のことだ。日本では都市部への人口集中が進む中、過疎化した地方では病院の統廃合が進んでいる。高齢者にとって、病院が遠すぎて通えなくなるという事態は既に起こりつつある。
そういった無医地区における予防医療を行うための装備を施した特装車が医療回診車である。展示車は、シャープと共同開発した車載太陽光パネルや空気清浄機の他、薬品や血液サンプルを保存するための冷蔵庫、車両の鉛バッテリーとは別に車室内の装備に電力を供給するのに用いるサブバッテリーなどを搭載している。ベース車は、救急車などに使われている、トヨタ自動車「ハイエース」のスーパロングバン・ワイドボディ・スーパーハイルーフだ。
トイファクトリーインターナショナルは、キャンピングカーや、消防車や救急車などの特殊用途車両の開発を手掛けている沖縄の企業だ。医療回診車について同社は、「都市部以外に病院が少ない新興国でも需要があり、海外では既に1件採用例がある。国内は、今回の出展をきっかけに提案を進めていきたい」としている。
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