メーターやカーナビはiPad、インホイールモーターEVが沖縄を走る:人とくるまのテクノロジー展2012
AZAPAは、沖縄県産業振興公社の出資を受けて開発したインホイールモーター電気自動車(EV)「AZP-LSEV」を公開した。EVの制御とITを融合させていることを特徴とする。
AZAPAは、「人とくるまのテクノロジー展2012」(2012年5月23〜25日、パシフィコ横浜)において、インホイールモーターを搭載する2人乗りの電気自動車(EV)「AZP-LSEV」を公開した。沖縄県産業振興公社の「おきなわ新産業創出投資事業」の出資を受けて開発したもので、今後は沖縄県内での走行実証実験に入る。
AZP-LSEVは、AZAPAが自動車開発で培ってきたエンジン制御、シミュレーション、車両開発、計測といった各種技術を生かして独自に開発したEVである。外形寸法が全長2500×全幅1275×全高1255mm、車重が400kgと小型で、オープンカータイプの車両となっている。後輪に定格出力が300Wのインホイールモーター(ミツバ製)を2個搭載しており、最高時速は70kmである。電池はリチウムイオン電池を使用しており、満充電から150kmを走行できる(時速30kmでの定地走行の場合)。車体のデザイン、設計、製造は、フィアロコーポレーションが担当した。
AZP-LSEVの最大の特徴は、EVの制御とITを融合させていることだ。搭載する2個のECU(電子制御ユニット)のうち、1個はEVの走行システムを制御し、もう1個は速度や電池の残量などの各種車両情報を統括している。そして、車両情報を統括するECUと有線接続で直結したAppleの「iPad」とAZP-LSEVの専用アプリを使って、車両の始動や、速度計などのメーター表示、カーナビゲーションなどを行える。「iPadとECUは、USBやミラーリンクではない独自の方法で接続している」(AZAPA)という。
またiPadは、車両内に組み込んであるモバイルルーターとWi-Fi接続されているので、走行中も無線通信で常時接続されている。専用アプリは、メーター表示やナビゲーション以外にも、この無線通信を介して接続するクラウドを使ったソーシャルネットワークサービス(SNS)との連携機能なども備えている。
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