Simulinkモデルの構造最適化ツール、AZAPAがDSMをベースに提案:カーエレ展/EV・HEV展
AZAPAは、プロセス分析手法の1つであるDSMをベースに、「Simulink」モデルの構造最適化ツールを開発している。
AZAPAは、「第4回国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレ展)/第3回EV・HEV駆動システム技術展(EV・HEV展)」(2012年1月18〜1月20日)において、The MathWorksのモデルベース設計ツール「MATLAB/Simulink」で設計したモデルの構造を最適化するツールを公開した。
AZAPAのツールは、プロセス分析手法の1つであるDSM(Design Structure Matrix:設計構造マトリックス)を基に、仕様追加によって複雑になりがちなSimulinkモデルの構造を最適化する。DSMでは、対象となるものを構成する要素をノード、ノード間の接続をラインと定義して1個の表で表現する。この表から、構造の見える化や順序整理、グルーピング(グループ分け)が行えるようになる。基本的には、ノードとラインが定義できるものであれば何にでも適用可能であり、製品の開発プロセスや企業内の人員配置と部署設定などで既に利用されている。
DSMによるSimulinkモデルの構造最適化では、インタフェースの管理やフィードバックループの最小化が可能になるという。またDSMは、並行処理が複数あるようなものへの適用が難しいという課題がある。この課題に対しては、あるノードを経由する処理を経路探索で割り出してそれらを1つのグループに仕分けるといった手法で対応している。
同ツールを用いてあるSimulinkモデルの構造を最適化したところ、総ページ数(サブシステム+チャート)が58ページから8ページ、最大階層深さは8層から3層、総ブロック数454個から250個、総ライン数は440本から282本、総サブシステム数は54個から6個に削減できた。
関連記事
- 組み込みソフト開発の“主役”は誰に?
かつて、組み込み機器用ソフトウエアの開発は、それを専門とする技術者の手で行われていた。しかし、現在は、モデルベース設計ツールをはじめとした設計の抽象度を高めることが可能なツールを利用することで、システム設計者やドメインエキスパートであっても、組み込みソフトウエアを開発できる環境が整いつつある。本稿では、代表的なモデルベース設計ツールとその活用事例などを紹介した上で、組み込み用ソフト開発の現状についてまとめる。 - モデルベース開発ツールを使いこなせ
組み込みシステム開発チームは、新製品をいかに早く市場に送り出すかでしのぎを削っている。そのための方策として、設計者らはモデルベースの開発ツールに目を向け始めている。ますます複雑になるソフトウエア開発を迅速に行うためだ。そうしたツールの多くは、UMLをベースとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.