3列シート車「ジェイド」の燃費は25.0km/l、IPUをセンターコンソールに縦置き:エコカー技術(2/2 ページ)
ホンダは、セダン並みの低い全高に、ミニバンと同等の居住性とユーティリティーを実現した3列シートのハイブリッド車「ジェイド」を発表した。電池パックやインバータ、DC-DCコンバータなどを内蔵するIPU(インテリジェントパワーユニット)を、1列目シートのセンターコンソールに縦置きで組み込んでいる。
全幅は1775mmで3ナンバー
ジェイドの外形寸法は全長4650×全幅1775×全高1530mmで、ホイールベースは2760mm。車両重量は1510kg。乗車定員は6人である。機械式立体駐車場制限に対応した3列シート車であることから、2014年5月に販売を終了した「ストリーム」の後継とみられることも多いが、全幅が1695mmで5ナンバー車だったストリームとは異なり、全幅は1775mmと広い。
全高を1530mmに抑える一方で、i-DCDを搭載し、3列目シートも利用できるようにするにはパッケージングに工夫が必要になる。そこで、電池パックやインバータ、DC-DCコンバータなどを内蔵するi-DCDのIPU(インテリジェントパワーユニット)を、1列目シートのセンターコンソールに縦置きで組み込んだ。これまでに発売している、「フィット ハイブリッド」や「ヴェゼル ハイブリッド」、「グレイス」といったi-DCD搭載車は、車両後部の荷室床下に搭載していた(関連記事:新型「フィット ハイブリッド」燃費世界一の立役者、「i-DCD」の仕組み)。
併せて、燃料タンクや排気システムを薄型化し、リヤサスペンションに低床化に寄与するダブルウィッシュボーン方式を採用した。アッパーアームを湾曲することで3列目シートの足元をフラットにして快適性を高めている。
競合は7人乗り「プリウスα」?
ジェイドは、1550mm未満の機械式立体駐車場の制限に対応する3列シートのハイブリッド車である。国内ではこれと同じ機能を持つ車両がないので“オンリーワン”といえるだろう。
ただし、全高1550mm未満ではないものの、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウスα」の7人乗りモデルは、3列シート車のハイブリッド車という意味ではジェイドの競合になり得る。税込み価格は282万8618円からで、JC08モード燃費は26.2km/lとジェイドよりも良好だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「ジェイド」は「ストリーム」の後継車ではない
ホンダはカスタムカーの展示会「東京オートサロン2015 with NAPAC」で2015年2月13日に発売予定の新型ハイブリッド車「JADE(ジェイド)」のカスタムカーを展示。同社のブースで、ジェイドの開発コンセプトについて聞いた。 - 「i-DCD」搭載の3列シートハイブリッド車「ジェイド」は立体駐車場に対応
ホンダが2015年2月13日に発売する新型車「JADE(ジェイド)」は、1モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」を搭載する3列シート車で、全高が立体駐車場の1550mm制限に対応するステーションワゴンだ。「フィット シャトル ハイブリッド」の後継モデルになる可能性が高い。 - ミニバンからスポーツカーまで、新たな価値を生み出すクルマ作りの本質
「オートモーティブワールド2015」の基調講演に本田技術研究所 取締役 専務執行役員の山口次郎氏が登壇。同氏は「未来のモビリティ社会と“Waku Waku”する新価値創造」をテーマにホンダの製品開発エピソードや、今後の技術開発の展望について語った。 - 新型「ノア/ヴォクシー」が低床プラットフォームから得た2つのメリット
トヨタ自動車は、5ナンバーサイズのミニバン「ノア」と「ヴォクシー」をフルモデルチェンジした。新開発の低床プラットフォームの採用により室内空間を大幅に拡大するとともに、ハイブリッドモデルについては「アルファード/ヴェルファイア」では実現できなかった1列目シートから2列目/3列目シートへのウォークスルーが可能になった。 - 新型「オデッセイ」はなぜ超低床化しなければならなかったのか
ホンダの新型「オデッセイ」は、全高を従来モデルの1545mmから150mm引き上げて1695mmとするとともに、超低床プラットフォーム」を採用。上級ミニバンとして競合する、トヨタ自動車の「アルファード/ヴェルファイア」や日産自動車の「エルグランド」と同等クラスの室内高さを実現した。