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スギ間伐材を使う難燃性射出材料、新型「アルファード/ヴェルファイア」が採用:材料技術
トヨタ車体は、熱可塑性樹脂と、スギ間伐材をベースとする強化繊維を組み合わせた難燃性射出材料「TABWD(タブウッド)」を開発。トヨタ自動車の新型「アルファード/ヴェルファイア」のハイブリッド車向けワイヤーハーネスプロテクターに採用された。
トヨタ車体は2015年2月5日、熱可塑性樹脂と、スギ間伐材をベースとする強化繊維を組み合わせた難燃性射出材料「TABWD(タブウッド)」を開発したと発表した。トヨタ自動車が同年1月に発売した新型「アルファード/ヴェルファイア」のハイブリッド車向けワイヤーハーネスプロテクターに採用されている。
一般的な自動車向け樹脂部品は、熱可塑性樹脂の強度や耐熱性を高めるために、ガラス繊維や鉱物の粉を添加している。トヨタ車体は、この添加物をスギ間伐材の繊維に置き換えた樹脂を開発しており、これまでにトヨタ自動車の「ランドクルーザー(200系)」や「エスティマハイブリッド」などのフォグランプブラケットに採用されている。
TABWDは、従来の強度や耐熱性といった特性に加え、難燃性も付与されている。これにより、高温になるエンジン周辺のワイヤーハーネスプロテクターへの採用が可能になった。さらに、軽量な木材であるスギ間伐材の採用により、既存の射出材料と比べて10%の軽量化も実現もできたという。
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