“カッコイイ”トヨタの「SAI」、樹脂部品の20%がエコプラとリサイクル材に:材料技術
世代を超えて“カッコイイ”と共感されるように、エクステリアやインテリアを一新したトヨタ自動車のハイブリッド車「SAI」。樹脂部品の20%に植物由来プラスチックや樹脂リサイクル部品を使用するなど、材料面における環境への配慮にも力を入れている。
トヨタ自動車は2013年8月29日、ハイブリッド車「SAI」をマイナーチェンジしたと発表した。ほぼ車両の全幅をカバーする超ワイドサイズヘッドランプの採用によってフロントフェイスを変更するなど、世代を超えて“カッコイイ”と共感されるようエクステリアやインテリアを一新した。
JC08モード燃費は、ハイブリッドシステムの制御を見直すことにより、2011年改良時の21.0km/l(リットル)から22.4km/lに向上した。ただし、同じトヨタ自動車のセダンタイプのハイブリッド車で、全長と全幅がSAIよりも大きい「カムリ」の23.4km/l、「クラウン」の23.2km/lと比べて、燃費が1km/l程度悪い。
樹脂リサイクル部品の使用量は約3倍
SAIは、2009年10月の発表時点で、植物由来原料を使ったプラスチックを、内装部品に広く採用していることも特徴になっていた。実に、室内表面積の約60%に植物由来プラスチックが適用されている。さらに、2011年10月にマイナーチェンジした際には、サトウキビ由来の原料を使ったバイオPETを用いるなどして、シート表皮やフロアカーペットなど高い耐磨耗性能が必要な内装部品にも適用を拡大。室内表面積の約80%まで植物由来プラスチックの採用を拡大した。
今回のマイナーチェンジでは、室内表面積の約80%という数値は変わらないものの、リアコンビネーションランプカのサービスホールカバーの不織布表皮やドアトリムオーナメントの表皮などにも植物由来プラスチックの適用を広げた。
前回のマイナーチェンジと比べて、使用量が大幅に増えたのが樹脂リサイクル部品である。ロアグリルやフロアアンダーカバー、従来は対応できなかった内装の着色材などを含めて約100部品に樹脂リサイクル部品を採用している。使用重量で比べると約3倍になったという。
これらの取り組みにより、車両全体に使用している樹脂部品の総重量の20%が、植物由来プラスチックと樹脂リサイクル部品になった。トヨタ自動車が、2011〜2015年度にわたって進めている第5次「トヨタ環境取組プラン」では、「樹脂部品のエコプラスチック、樹脂リサイクル材の20%使用技術確立」を目標としている(関連記事:バイオプラスチックの活用を進めるトヨタ自動車)。今回のSAIのマイナーチェンジによって、この目標をいち早く達成したことになる。
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