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アーク溶接方式を採用した国産金属3Dプリンタ登場3D Printing 2015

武藤工業は、3Dプリンティング技術の展示会「3D Printing 2015 Additive Manufacturing Technology Exhibition」に出展し、「アーク溶接金属3Dプリンタ」の試作機を参考展示し、デモを披露した。

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 MUTOHホールディングス傘下の武藤工業は2015年1月28〜30日の3日間、東京ビッグサイトで開催されている3Dプリンティング技術の展示会「3D Printing 2015 Additive Manufacturing Technology Exhibition(以下、3D Printing 2015)」に出展し、「アーク溶接金属3Dプリンタ」の試作機を参考展示し、デモを披露した。

 造形方式は、従来のレーザーや電子ビーム方式の代わりにアーク溶接を採用。造形スピードも「従来方式よりも速い」(説明員)という。市販の溶接ワイヤーを材料として利用でき、最大500×500×500mmの造形が可能。対応する金属は、軟鋼、ステンレス、インコネル、チタン、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル合金など。

「アーク溶接金属3Dプリンタ」
画像1 武藤工業が参考展示した「アーク溶接金属3Dプリンタ」
造形の様子市販の溶接ワイヤー 画像2(左) アーク溶接による造形の様子/画像3(右) 市販の溶接ワイヤーを材料として利用できる ※画像クリックで拡大表示

 ブースでは、鉄を材料にした造形サンプル、アルミニウムを材料にした造形サンプルを展示していた。アーク溶接金属3Dプリンタで造形できるのは最終形状ではない。最終形状に近い形までアーク溶接金属3Dプリンタで造形して、切削など後加工を施して最終形状に仕上げる方式だ。「棒材や角材から削り出すよりも、材料費を大幅に低減できる。また溶接しているので強度も高く、最終加工してしまえば積層線は全く分からなくなる」と説明員。

造形サンプル
画像4 造形サンプル。上の列がアーク溶接金属3Dプリンタで造形した状態のもので、下の列がそれを基に最終形状に仕上げたもの

 アーク溶接金属3Dプリンタは、本体装置、溶接用装置、冷却装置、粉じん処理装置から構成される。「従来の金属3Dプリンタとは別の“新しい加工機”として開発した。アーク溶接の技術的な研究開発は東京農工大学と共同で進めてきた。2015年4〜5月くらいをめどに量産モデルをリリースしたい。販売価格は1台3000万円程度になる見込みだ」(説明員)。

アルミニウム鉄 画像5(左) 上側のアルミニウムの造形サンプルは約2時間で出力/画像6(右) この鉄の造形サンプルは約1.5時間で出力できたという ※画像クリックで拡大表示

 入力データ形式は、一般的な3Dプリンタと同様STLをサポートする。専用ソフトウェアでGコード(制御コード)を生成して、アーク溶接金属3Dプリンタを制御する。溶接ビートは鉄の場合が1〜2.5mm程度、アルミニウムの場合が5mm程度になるという。


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