検索
連載

知っているようで知らなかった文章作成術のキホン(その1)レイコ先生の「明日から使える! コミュニケーションスキル」(11)(4/4 ページ)

「分かりやすい日本語を書けますか?」と質問されたら、読者の皆さんは何と答えますか?

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

接続詞の使い方

 図5を見てみましょう。1つの文章が長く、一体何を言っているのかよく分からないと感じたのではないでしょうか。一文が長くなってしまうのは、頭で思いつく文章を読点「、」でつないで文章を作っているからです。つまり「話すように文章を書いてしまっている」ということです。このような例は特に電子メールなどの文章によく見られます。


図5 一文が長く読みづらい文章

 一文が長い文章も図6のように接続詞を効果的に使うことで、複数の文を分けることができ分かりやすさが向上します。


図6 接続詞で文を分けた文章

 しかし、何でも接続詞で区切ればよいのかというと、そうでありません。接続詞を多用してしまうと図7のように稚拙な印象を与えてしまい、逆に読みづらい文章になってしまうこともあります。


図7 接続詞ばかり使うと逆に読みづらくなってしまう】

 接続詞の多用を避けるためには、図8「ので」や「が」といった接続助詞を使うようにします。読みやすく分かりやすい文章を作成するには、接続詞と接続助詞をバランス良く使うことがポイントです。


図8 接続詞と接続助詞をバランスよく使う

 接続助詞を使う上で、1つ気をつけなければいけないのは「〜し」という接続助詞は図9のように「順接」と「逆接」の2つの論理関係で使えるということです。


図9 順接と逆接の両方で使える「し」

 そのため、このような場合は順接の接続詞である「そして」や「従って」、逆接の接続詞である「しかし」、「けれども」などを使って文章の論理関係がはっきりと分かるようにします。

 今回は、文章作成の基本として「主語と述語」「修飾語」「接続詞」の3つの観点で「分かりやすい日本語」を書くためのポイントを解説しました。仕事において、分かりやすい日本語とは、相手(読み手)に誤解やストレスを与えずに自分の主張が伝わる文章のことです。自分が書いた電子メールや報告書が伝わってないなと感じたことがある人は、今回解説したポイントを基に自分の文章をチェックしてみましょう。きっと、何かしらの気づきが得られるはずです。

 次回は、分かりやすい資料を作成するためのノウハウについて解説します。

参考文献

  • 「日本語の作文技術」(本多勝一 著 朝日文庫)
  • 「ロジカル・ライティング」(安田正・上原千友 著 日本実業出版社)
  • 「エンジニアのための文章術再入門講座」(芦屋広太 著 翔泳社)
  • 「うまい!日本語を書く12の技術」(野内良三 著 NHK出版)
  • 「理科系の作文技術」(木下 是雄 著 中公新書)

Profile

小山新太(こやまあらた)

MPA所属 中小企業診断士。販売促進やマーケティング、コミュニケーションスキルを専門とし、中小企業支援やセミナー講師などを行っている。



MPAについて

「MPA」は総勢70人以上の中小企業診断士の集団です。MPAとは、Mission(使命感を持って)・Passion(情熱的に)・Action(行動する)の頭文字を取ったもので、理念をそのまま名称にしています。「中小零細企業を元気にする!」という強い使命感を持ったメンバーが、中小零細企業とその社長、社員のために情熱を持って接し、しっかりコミュニケーションを取りながら実際に行動しています。

MPAのWebページ




Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る