ニュース
「ミライ」の燃料電池スタック、セパレータはチタン製:燃料電池車
神戸製鋼所は、トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」にチタン材が採用されたと発表した。燃料電池スタックを構成する基幹部品の1つであるセパレータに、独自に開発してきた特殊チタン圧延材が用いられている。
神戸製鋼所は2015年1月20日、トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」にチタン材が採用されたと発表した。燃料電池スタックを構成する基幹部品の1つであるセパレータに、独自に開発してきた特殊チタン圧延材が用いられている。
一般的に燃料電池スタックのセパレータには、耐食性、表面導電性、成形性といった性能が求められ、ステンレスが用いられることが多かった。神戸製鋼所は2000年代前半から、同社が有するチタン材の材質・表面制御技術および圧延材製造技術を活用し、セパレータに最適な特殊チタン圧延材を商品化。ミライでは、トヨタ紡織が製造する水素極側のセパレータの基材として採用された。
神戸製鋼所は今回の採用事例をきっかけに燃料電池車へのさらなる採用拡大をめざす。また、これまで培ってきた豊富な開発・製造実績により、今後もチタン需要の創出に努めるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 燃料電池車「ミライ」に人だかり、搭載部品も多数展示
「人とくるまのテクノロジー展2014 名古屋」では、トヨタ自動車が同年12月15日に発売する燃料電池車「MIRAI(ミライ)」と、その搭載部品に注目が集まった。 - 燃料電池車「ミライ」が使う水素は大気圧の700倍、搭載部品も高圧対応が必須
トヨタ自動車の燃料電池車「ミライ」は高圧の水素を燃料に使用している。その圧力は70MPaで、大気圧の約700倍だ。このため、燃料電池車で水素を扱う部品も70MPaの高圧に対応している必要がある。ジェイテクトと愛知製鋼が発表したミライの採用部品も、水素関連の高圧対応部品だ。 - 燃料電池セルの空気極側流路を3次元構造に、トヨタ車体が「ミライ」向けに開発
トヨタ車体は、トヨタ自動車が発売した燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の燃料電池スタックに用いられている基幹部品「3Dファインメッシュ流路」の開発・生産を始めたと発表した。 - トヨタの燃料電池車「ミライ」は「あえて4人乗り」、プレミアム感と走りを重視
トヨタ自動車は、セダンタイプの新型燃料電池車「MIRAI(ミライ)」を2014年12月15日に発売する。税込み価格は723万6000円で、国内販売目標台数は2015年末までで約400台。プレミアム感と荷室の広さ、そして走りの楽しさを重視したこともあり、5人乗りではなく4人乗りとなった。 - 「ミライ」2台分のシステムを搭載する燃料電池バス、水素タンク8本で150km走行
トヨタ自動車と日野自動車は、燃料電池バス「トヨタ FC BUS(以下、FCバス)」を新開発した。セダンタイプの燃料電池車「ミライ」の燃料電池システム2台分に加えて、耐圧70Mpa水素タンクを8本搭載。満タン状態からの走行距離は150kmとなっている。