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【第3話】3Dプリントするために必要な下準備3Dプリンタでデジタルモノづくりをはじめよう(3)(4/5 ページ)

中野ブロードウェイにある「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」のN店長と大学生Y君との交流を通じて、パーソナル3Dプリンタを使いこなすためのハウツーを解説する連載。今回は[印刷]ボタンを押す一歩手前、3Dプリンタで出力するための下準備について紹介します。

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コーヒーブレイク

その1:2色で3Dプリントできるパーソナル3Dプリンタ

Y君(普通)

今回使うパーソナルタイプの3Dプリンタでは、何色まで対応しているんですか?



N店長(普通)

現状、ほとんどの機種が単色なんだけど、「ダヴィンチ 2.0 Duo」や「MakerBot Replicator 2X」といった一部の機種は2色までサポートしているよ。こうした2色出せる機種は、フィラメント(素材)を熱しながら押し出すエクストルーダーが2つあるデュアルヘッドタイプの3Dプリンタなんだ。だから単色しか出せないシングルタイプのものよりも販売価格は高額だね。


デュアルヘッド搭載3Dプリンタ「ダヴィンチ 2.0 Duo」
図5 デュアルヘッド搭載3Dプリンタ「ダヴィンチ 2.0 Duo」(中央の機種)

Y君(笑顔)

2色で3Dプリントできると、やれることの幅も広がりますね!


N店長(笑顔)

うん。アイデア次第では面白いものが実現できるだろうね。ちなみに業務用の3Dプリンタなんかだとフルカラータイプのものもあるよ。そのうち、パーソナルタイプでもフルカラーの機種が出てくるかもしれないね。


Y君(普通)

ちなみに、2色用の3Dデータの作り方って違うものなんですか?


N店長(普通)

1色ごとにSTLファイルが必要になって、さらに図6のように重なった形状で作らないとダメなんだ。



2色用
図6(左) 2色用の3Dデータの作り方(OK)/図7(右) 2色用の3Dデータの作り方(NG)

その2:3Dスキャンとは?

Y君(普通)

N店長! 3Dデータを作るには「3Dスキャン」というやり方もあるって聞いたことがあるんですが?


N店長(笑顔)

うん。最近では3Dスキャンも割と一般的になってきているね。実際、人物を3Dスキャンして、3Dプリントするサービスも出始めているんだ。これからはもっと気軽になって、街中にある写真館なんかでも記念日に3Dスキャン&3Dプリントなんて時代になるかもしれないね。


Y君(笑顔)

3Dスキャンして、すぐに3Dプリンタで出力できるなんて夢のようですね!!


N店長(普通)

そうだね。ただ、現状の3Dスキャンは100%の品質で対象物をコピーできるわけではないから注意してほしいな。実際はスキャンしたデータの修正や手直しが必要だったりするんだ。



 3Dデータを作る方法には、3Dモデリングの他にも3Dスキャンというやり方があります。最近では、3Dスキャナも手ごろな機種が登場しつつあり、例えば、iPadにつなげられる「iSense」というデバイスや、ノートPCやタブレット端末などに組み込まれる「Intel RealSense 3Dカメラ」といったテクノロジーも登場しています。

 また、XYZプリンティングから3Dスキャナ機能を搭載したパーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ 1.0 AiO」が登場しています。これまではスキャンはスキャナで、3Dプリントは3Dプリンタでというのが当たり前でしたが、ダヴィンチ 1.0 AiOは文字通り“All in One(AiO)”を実現しました。3Dスキャナが身近になってくると、3Dプリンタの利用シーンや用途もますます広がっていくことでしょう。

スキャナー機能を搭載したパーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ 1.0 AiO」
図8 スキャナー機能を搭載したパーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ 1.0 AiO」(右の機種)
「ダヴィンチ 1.0 AiO」でスキャンしている様子
図9 「ダヴィンチ 1.0 AiO」でスキャンしている様子

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