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【第3話】3Dプリントするために必要な下準備3Dプリンタでデジタルモノづくりをはじめよう(3)(5/5 ページ)

中野ブロードウェイにある「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」のN店長と大学生Y君との交流を通じて、パーソナル3Dプリンタを使いこなすためのハウツーを解説する連載。今回は[印刷]ボタンを押す一歩手前、3Dプリンタで出力するための下準備について紹介します。

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3DプリンタにSTLファイルを取り込むには!?

無料ソフトウェアで3Dデータをチェックする方法

Y君(普通)

そういえばN店長! 見た目は問題なくても3DプリントできないSTLができてしまうケースもあると聞いことがあるんですが?



N店長(笑顔)

STLファイルのエラーってやつだね。


Y君(汗)

何かエラーをチェックする方法ってあるんですか?


N店長(普通)

それじゃあ、無料のソフトウェアがあるから教えてあげよう。


Y君(笑顔)

わーい! STLに変換したら一度そのソフトウェアで確認しておくと安心ですね。



 STLファイルのエラーの有無を確認できる無料のソフトウェアを2つ紹介しておきましょう。1つは「MeshLab」で3Dデータの編集・変換が行えるソフトウェアです。もう1つは「MiniMagics」です。こちらはSTLファイルのエラーチェックや寸法確認などが行えます。


インストールした「XYZware」にSTLを読込んでみよう

N店長(笑顔)

じゃあ、XYZwareを起動して、STLファイルを読み込んでみようか!


Y君(笑顔)

はい!!


「XYZware」にテトラポッドのSTLファイルを読み込ませた様子
図10 「XYZware」にテトラポッドのSTLファイルを読み込ませた様子

N店長(普通)

XYZwareでは、主に積層ピッチ(細かさ)/中身の密度/サポートの有・無/ラフトの有・無などの設定が可能なんだ。


Y君(汗)

う〜ん。何をどうしたらいいのか? 初めてなので全然分かりませんね……。


N店長(普通)

一番気になるのは、やはり見た目にも影響する積層ピッチじゃないかな。


Y君(普通)

何段階かで設定できるんですねぇ。いろいろ自分で触ってみますね!



 STLファイルをXYZwareに読み込んだ後、設定をしなければならない項目は大きく2つあります。1つは「移動と回転/拡大と縮小」、もう1つは「積層ピッチとラフト/サポート」です。それぞれ見ていきましょう。

1.移動と回転/拡大と縮小 
 まず、読み込んだSTLをプラットフォーム(3Dプリントする台)のどこの位置で出力するかを決めます。プラットフォームは、中心が最も水平が出るので安定して3Dプリントできます。またXYZware上で簡単に拡大と縮小が行えます。

 3Dプリンタのプラットフォームは水平になっていることが非常に重要です。気を付けないと、出力結果に大きく影響します。また、回転を使って任意の方向で3Dプリントできるように設定します。連載第1回「【第1話】『あッ 3Dプリンター屋だッ!!』との出会い」で説明した通り、3Dプリントする方向によって強度や段差の方向が変わってきます。

移動回転 図11(左) 移動/図12(右) 回転 ※画像クリックで拡大表示

2.積層ピッチとサポート・ラフト 
 設定できる積層ピッチはメーカーにより異なりますが、一般的には0.1〜0.4mmの範囲となります。また、一番大切なのが、ラフト/サポートをどこに付けるかです。こちらについても連載第1回「【第1話】『あッ 3Dプリンター屋だッ!!』との出会い」を参考にしてください。

積層ピッチ(細かさ)の違い。手前から時計回りに0.4mm/0.3mm/0.2mm/0.1mm
図13 積層ピッチの違い。手前から時計回りに0.4mm/0.3mm/0.2mm/0.1mm



 さて、次回はいよいよ[印刷]ボタンを押して出力を行います! 具体的なXYZwareの設定方法や3Dプリンタ本体の操作などを詳しく紹介します。また、初めて3Dプリントする際の注意事項についても触れたいと思います。お楽しみに! (次回に続く)

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